2016年初頭、チェンマイに長期滞在するに当たって、2016年1月11日(月)にまず台北に飛んだ。台北で1日滞在(トランジット)した後、1月12日(火)に台北(桃園)からチェンマイへと飛んだ。
東京(成田)から台北(桃園)へのフライトは、スクート(Scoot)TZ 201便に搭乗した。
スクート(Scoot)は、シンガポールのチャンギ国際空港をハブとして運航するシンガポールの格安航空会社。中距離路線に特化した格安航空会社だ。
今回はその搭乗レポート。
成田前泊を避けて、成田発午後便のスクート TZ201便を選択
東京(成田&羽田)から台北行きのフライトは、ピーチ、タイガーエア台湾、スクート、ヴァニラエアなど格安航空会社が数社、運航している。
できれば数ヶ月前から各格安航空会社のセールをチェックして最安値で航空チケットをゲットしたいところだが、なかなか出発日が直前まで決まらなかった。
実際に航空チケットを購入したのは、年が明けて2016年1月1日(金)。出発は、その10日後の1月11日(月)。かなり遅めの航空チケットの手配となった。
航空会社に関しては、直前まで成田発午後便のスクートにするか、成田発早朝便のヴァニラエアにするか迷った。値段はほぼ同じ。
ただし、ヴァニラエアだと成田発午前9時のため、自分の場合、始発の電車に乗ってもギリギリ間に合うか、間に合わないかの微妙な時間となる。安全策を取るなら前泊となる。
そこで、結局、成田国際空港11時45分発、台北(桃園国際空港)14時55分着のスクートのTZ201便を選択した。
スクートの料金は、最安のFly、手荷物が追加されるFlyBag、手荷物と機内食が付くFlyBagEat、ビジネスクラスに相当するスクートビズ(ScootBiz)という4つの料金体系がある。
今回は、というか、いつも通り、迷わず最安値のFlyを選択。
スクートの公式サイトでオンラインで予約すると、すかさず登録したメールアドレスに「予約確認書」が送られてきた。「予約確認書」には、PDF書類形式で「旅程の詳細情報」と「スクート運送約款」が添付されていた。
添付ファイルの「旅程の詳細情報」には、実際の支払い明細が記されている。
内容は以下の通り。
手数料と税金:2,610円
支払い手数料:750円
決済運賃(トータル):10,160円
スクートは、成田空港第2ターミナルの北ウイング チェックイン Webチェックインは無し!
「東京シャトル」を利用して、東京駅から成田空港第2ターミナル北ウィング2番まで1時間で到着。
バス停近くの喫煙所で軽く一服して建物に入ると、すぐスクートのチェックインカウンターがあった。
スクートのチェックインカウンターは、成田空港第2ターミナルの北ウイング、Bカウンターだ。
出発時間まで約3時間もある。時間に余裕があると自然、気持ちも落ち着く。
第2ターミナルの1階の国際線到着ロビーにあるUFJ銀行のATMから当座の旅行資金を引き出してからチェックインした。
スクートのチェックインは出発の3時間前に始まり、1時間前に締め切られる。
スクートは出発時間が頻繁に変更することがある、と聞いていたが、11時45分成田発、14時45分(台湾時間)に台北到着という今回のフライトスケジュールに変更はなかった。
スクートの機内持ち込み手荷物は、エコノミークラスが荷物1個、7kgまで。ノートPCがある場合は、+3kgまでOK。
機内持ち込み手荷物のサイズは、54cm×38cm×23cm、3辺合計が115cmを超えないものとなっている。
これが、ビジネスクラスに相当するスクートビズ(ScootBiz)だと、機内持ち込み手荷物は2つ、合計15kgまで機内持ち込みができる。また、スクートビズ(ScootBiz)なら、機内預け荷物も30kgまで無料で預けることができる。
さて、スクートは、荷物の重量もかなり厳しくチェックする、とも聞いていた。
しかし、40リットルのバックパック1個のみ機内持ち込み手荷物として持ち込んだが、「あれ、計量したっけ?」という感じで、ほとんど目視でOKだった。見た目がかなり小さく、軽そうだったからなのかもしれない。
ただ、バックパックにはタグシールを付けられて、シッカリと管理される。今回は機内預け荷物は無し。
ところで、メールで送られてきた「予約確認書」には、「Webチェックイン」の項目もある。「えっ? Webチェックインができるの?」と思って、リンクを辿ってスクートの公式サイトで、英語の文章をよく読んでみると、「Webチェックイン」は、チャンギ国際空港発のフライトでのみ可能とある。
つまり、成田から台北に飛ぶフライトでは、空港のチェックインカウンターで、必ずチェックインの手続きを行わければならない。
「予約確認書」に「Webチェックイン」の項目があるため、「スクートは、成田発のフライトもWebチェックインができる?」と誤解を与える可能性がある。これは、あまり宜しくない。
スクートのカウンターで実際にチェックインする際、パスポートと予約コードが必要だが、あいにく自宅のプリンターがずっと壊れたまま。
そこで、スクートから送られてきたメール「予約確認書」にある予約コードの部分の画面をスマートフォンで見せて、チェックインした。特に問題無く、すんなりチェックインできた。
ボーディングパスは、ちゃんと硬い紙に印刷されたもの。格安航空会社によってはペラペラの感熱紙みたいなボーディングパスもあるが、スクートのボーディングパスは、通常の航空会社と同じようなものだ。
サテライトの左端にある搭乗ゲートからボーディングブリッジで搭乗
スクートの成田⇒台北行き「TZ 201便」は93番ゲートからの搭乗。93番ゲートは、第2ターミナルの本館から、かなり離れたサテライトの左端にある。
本館とサテライト間は、かつてシャトルが運行していたが、今では本館とサテライトを結ぶ連絡通路が出来ている。
動く歩道を使って、ようやくサテライトに到着。かなり距離があるので、移動には時間に余裕を持ってした方がいい。
出発の約30分前ごろに、まずビジネスクラスの「スクートビズ」の乗客から搭乗開始。次いでエコノミークラスの乗客が搭乗する形となる。
搭乗ゲートからは、ボーディングブリッジを使っての搭乗だった。
格安航空会社では、ターミナルから飛行機までバスで移動するケースがあるが、スクートの場合、搭乗・降機ともボーディングブリッジを利用。快適と言えば快適。
787-9型機の座席/シートはエコノミーでもゆったり余裕スペース
機材はアメリカボーイング社の787-9型機。中・長距離向けの最新次世代航空機で、通称「ドリームライナー」。
スクートは2015年9月から全機材がB787型機となっている。B787型機には、座席数と座席の配置が異なる787-8型機と787-9型機がある。
787-9型機は、エコノミークラス340席、ビジネスクラスにあたるスクートビズ(ScootBiz)が35席、合計375席。
一方、787-8型機は、エコノミークラスが314席、スクートビズ(ScootBiz)が21席、合計335席。
格安航空会社の多くは、ヨーロッパのエアバス社のA320型機やA321型機を使っていることに対して、ボーイング787-9型機はシートピッチも広め。
サイトで確かめると、シートピッチは79cmと広い。格安航空会社とは思えないゆったり感がある。自分は小柄のため、座席に深く腰掛けると、かなり余裕がある。他の多くの格安航空会社が使用しているエアバス社のA320型機やA321型機のシートに比べても広く感じる。
座席の上部にある手荷物棚も、従来の機材比べて、30%も容量がアップしているそうだ。また、787型機は従来の機種に比べて天井が高く、機内が広々とした印象を与える。
エコノミークラスの座席配列は3-3-3。一方、ビジネスクラスの「スクートビズ」の座席配列は2-3-2。
エコノミークラスは、通常のスタンダードシートの他、座席のピッチが多少、広いスーパーシート、そしてさらに広いストレッチシートという合計3種類の座席が用意されている。
もちろんスーパーシートやストレッチシートの座席を選択すれば、それだけ費用がかかる。
また、スタンダードシートの座席の前方には、12歳未満の子供は利用できない「サイレントゾーン」も用意されている。 12歳未満の子供は利用できないため、静かというワケだ。
ヘッドレストも可動式で、快適にフライトを楽しむことができる。
なお、スクートビズ(ScootBiz)の座席には、無料で使える電源コンセントも用意されている。日本の電源プラグがそのまま使えるので、スマホやノートパソコンを充電できる。
大きめの窓は電子式でスモークの度合いを5段階で調整可能
787-9型機は窓が大きい。後で知ったが、従来の767型に比べて約1.3倍も窓のサイズが大きいそうな。晴れていれば、見晴らしが良い。
窓はスライド式ではなく、窓の下側にあるボタンで、窓にスモークをかけるという電子窓の仕様。スモークの薄さ・濃さの度合いを5段階で調整できる。
エコノミークラスの座席には、モニターは付いていない。しかーし。「スクートTV」という有料サービスが用意されている。
「スクートTV」は、モバイルPCや、スマートフォン、タブレットなどの端末に映画などを有料で映し出すサービス。
利用に際しては、専用のアプリをインストールする必要がある。お値段は、11米ドル。スクートビズ(ScootBiz)なら無料で利用できる。
スクートの「機内WiFi」サービス
また、「スクートTV」とは別に、機内でインターネット接続を可能にする「機内WiFi」サービスもある。
これは、衛星回線を利用することでフライト飛行中でもインターネットを利用できるサービス。スクートの目玉サービスとなっている。
「機内WiFi」サービスのお値段は、SNS利用向けの低速度のソーシャルライト20MBというプランが5米ドル。1時間利用可能のプランが11.95米ドル。3時間利用可能プランが16.95米ドル。24時間利用可能のプランは21.95米ドル。
ネットを通じての事前申込み、および機内での申込みも可能だ。
スクートの公式サイト内にある「機内WiFi」サービスの説明は以下の通り。
スクートの機内食&ドリンク・サービス
さて、実際に搭乗した後、まずバックパックを棚に上げようとすると、マレー系とおぼしき女性客室乗務員がササッと手伝ってくれた。好感度高し!
ザッと見たところ、搭乗率は7割ぐらいだろうか。
スクート TZ 201便は、ほぼ定刻通りに午前11時45分ごろに成田を出発。
成田国際空港を離陸後、しばらくして飛行機が安定飛行に入ると、シートベルトサインが消える。
すると、機内食の時間だ。
スクートはシンガポールの格安航空会社(LCC)のため、シンガポールのフードを中心にメニューに並んでいる。
シンガポールと言えば、“グルメ天国”とも呼ばれるほど食が充実している国。チキンライス(海南鶏飯)やグルーヴィーなスープのカレー麺のラクサ、ナシレマッ鶏肉と魚豆腐添え、などなど美味しそうだ。
サンドイッチ(約670円)、カップラーメン(約370円)などのメニューもあり、食事メニューは充実している。
しかし、総じてメニューは、かなり高めの値段設定。ソフトドリンクは約300円、ビールは約600円と、やはり高い。
なお、ビジネスクラスに相当するスクートビズだと、食事+ドリンクが無料で提供される。
メニューには、シンガポールドルで値段が書かれているが、実際の支払いは、日本円、台湾ドル、米ドルも使うことが出来る。ただし、お釣りは全てシンガポールドルとなる。クレジットカードも使えて、少額の支払い決済も可能だ。
こちらは、当然、何も頼まず。機内をよーく観察してみると、台湾やシンガポールの方とおぼしき乗客は、飲料などを持ち込んで目立たない形で飲んでいる。客室乗務員も、特に注意はしていなかった。この当たりは、ゆる~い感じ。
因みに、スクートのホットミールはすべてハラル認証を取得している。事前予約でのみ注文できる「プレミアムセレクション」という高級素材を使ったメニューのみ、ハラル認証は受けていない。
メニューは、以下の公式サイトで確認できる。
電子ブック形式で、詳細なメニューを確認できる(値段付き)
フレンドリーな台湾の入国管理官
さて、スクートTZ201便は、定刻到着時間の14時時45分より約10分遅れて、14時55分ごろ桃園国際空港に到着。フライト所要時間は4時間ちょっと。やはり台湾は近い。
TZ 201便は、台北(桃園国際空港)を経由してシンガポールまでフライトを続けるが、小柄な自分ならシンガポールまで約10時間強のロングフライトでも、さほど窮屈な思いをせずに済むと思った。