タイ東部の町、トラートでまったり過ごすプチ・ガイド

パイ・ロム寺院@トラート

トラートは、チャーン島やマック島、クッド島などタイ東部の海に浮かぶ南の島々への起点となる町です。

また、タイとカンボジアを陸路で国境超えする場合は、トラートを経由して行き来することができます。

つまり、タイ東部の交通の要となる町です。

行政的に見ると、トラート県の郡(アムプー)で、トラート県の県庁所在地(ムアン)です。

2017年末、トラートに約一週間、滞在しました。その時の経験を元にトラートでの過ごし方、見どころなどをレポートします。

トラートってどんな町?

トラート・ガイド・マップ

トラートに滞在して、まず感じたのは、いかにもタイの地方都市らしいゆる~い雰囲気の町という事です。

訪れる前は、恐らく外国人はあまり居ないだろう、と勝手に予想していましたが、町の中心部には、外国人が滞在するゲストハウスが相当数あり、町中で欧米人の姿もよく見かけます。

若い欧米人旅行者の大半は、カンボジアから陸路で国境超えしてきた、あるいはこれから国境超えするバックパッカー達。

そして、チャーン島、クッド島、マック島などを訪れる前後に、トラートに一泊する旅行者です。

そうした外国人旅行者とは別に、トラートに長期滞在している欧米人旅行者もいます。

その多くが、すでに引退したとおぼしき年配の欧米人。

トラート中心部を南北に走る目貫通り – スクンビット・ロードには、そうした欧米人がたむろするバー&レストランの類が数軒有ります。

昼下がりになると、早くもビールのグラスを傾けて、ボーっと過ごしている年配の欧米人達。タイの地方都市のどこにいっても見かける風景ですね(苦笑)。

例えば、トラートの安宿で知り合ったフィンランド人のおじいさんは、仕事はすでに引退しており、タイに数ヶ月、のんびりと滞在していました。

毎日、お昼になるとスクンビット通りにあるバーやレストランをハシゴして、ビールを飲みながら、ずっとスマホでYoutubeを見ていました。

そのおじいさんは、レンタルバイクを月極めでレンタルしており、気が向くとチャーン島などの近隣の島々に遊びに出掛けていました。

うーむ……。

自分はと言えば、毎日、トラートのあちらこちらを歩いて見て回っていました。その幾つかをレポートします。

なお、トラートのゲストハウスなどの宿泊施設に関しては別にまとめました。トラートに滞在する予定のある方はどうぞ。

また、タイ東部の交通の要所の一つであるトラート・バス・ターミナルについても、別記事にまとめました。

何はともあれトラートのマーケットへGO!

生鮮マーケット 魚介類@トラート

トラートの町の中心部に大きな生鮮マーケットがあります。

肉類、魚類、野菜類、果物類、あるいは乾物類、薬草類などが区画ごと並んでいます。

生鮮マーケット 青果類@トラート

様々な食材、豊富な物資を見るにつけ、タイって本当に豊かなだぁ、って実感します。

生鮮マーケット 肉類@トラート

生鮮マーケットの東側には、マーケット併設の食堂も何軒か入っています。こちらで安く食事できます。一食30バーツぐらいから。

生鮮マーケットの東側にある簡易食堂

タイを旅行していて何が楽しみかといえば、やはり食事! タイ飯!

美味しくて、しかも激安!

生鮮マーケット近くのソイには安くて美味しいお惣菜がズラリ

生鮮マーケットの北西部には、お惣菜屋がズラリと並ぶソイ(小道)があります。

お惣菜屋が並ぶソイ(小道)@トラート

「Soi Rai Rung」という名前の小道で、ちょうどナイトマーケットの北側になります。

お惣菜屋が並ぶソイ(小道)@トラート

小道には、様々な作り置きの料理が台の上に並べられています。お好みの料理の幾つかを「サイ・プラスチック」と言って購入すれば、プラスチック袋に入れてくれます。

お惣菜屋が並ぶソイ(小道)@トラート

料理の種類にもよりますが、一品20バーツ~40バーツぐらい。魚介類だと、さすがにちょっと値が張ります。炊いたご飯一食分は10バーツ。

お惣菜屋@Soi Rai Rungお惣菜屋@Soi Rai Rung

大概のゲストハウスでは、頼めばお皿などのプレート類や、フォーク、スプーンを貸してくれます。

そこで、ゲストハウスの共有スペースや部屋の表にあるベンチなどで食事を取れば、安上がりで食事できます。

購入したお惣菜とライス購入したお惣菜とライス

次いでにお好みの銘柄の缶ビールや瓶ビールも購入すれば、気分は極楽ですね。
タイでは食事に関しては、全く困ることがないのが良いですね!

トラートのナイトマーケット

トラートのナイトマーケットの様子

生鮮マーケットの区画の南側には駐車場のようなスペースが広がっています。

夕方になると、この駐車スペースのようなところに様々な屋台が出現します。

トラートのナイトマーケットの様子

トラートのナイト・マーケットです。

正確に言えば、昼間の間も数軒、屋台が出ていますが、本格的に屋台が出現するのは日が暮れる頃。

ザッと見て、屋台は合計30軒ほどでしょうか?夕食は、このナイトマーケットで取るのが日課となりました。

ナイトマーケットでも、作り置きの料理をプラスチック袋に入れて売っているところもあります。

トラートのナイトマーケットの様子

あるいは、屋台で料理を注文してテイクアウトすることもできます。

ナイトマーケット@トラートナイトマーケット@トラートナイトマーケット@トラートナイトマーケット@トラート

外国人旅行者の姿もチラホラ見かけます。

自分は、何年もかけて世界中を旅行しているフランス人とフィンランド人の中年カップル、そしてスペイン人中年カップルと知り合いました。

フランス人とフィンランド人の中年カップルは、いかにも年季の入ったベテラン・バックパッカー。旅行話に華を咲かせたりしました。

トラート・インドア・マーケット

トラートには、The Mallやセントラル・フェスティバル等、タイ大手のショッピングモールはありません。

強いて言えば、ナイト・マーケットの南側にあるトラート・インドア・マーケットがショッピングモールの小さいバージョン。3階建ての建物です。

トラート・インドア・マーケット

確か1階の奥の方は、確か肉類や魚介類を扱っているマーケットだったような(ちょっと記憶が曖昧)。

トラート・インドア・マーケット1階

トラート・インドア・マーケット1階

2階、3階には衣料品や雑多な品々を扱った小さな店が幾つも入っています。

ただし、規模は小さ目です。あまり面白いものは見つからないような……。

この建物のすぐ近くには、タイの大手携帯会社のAISの支店があります。AISのSIMカードを使っていたので、ここでトップアップしました。

市内バス停&ソンテウ乗り場

トラート・インドア・マーケット前にある市内バス&ソンテウ乗り場

この小さな衣料品モールの前あたりに市内バスの停留所&ソンテウの乗り場があります。

チャーン島に渡るフェリー桟橋まで行くソンテウもあります。

ただし、自分がソンテウのドライバーに声をかけた時は、一人あたり250バーツ! と法外な値段をふっかけてきました(泣)。

トラート・バスターミナルまで歩けば、そこからチャーン島に渡るフェリー桟橋まで80バーツのソンテウを確実に捕まえることができます。

トラートの裏原宿? プアック・ムアン通りを歩いてみよう!

プアック・ムアン通り@トラート

トラートに滞在中、毎日、あちらこちら歩くうち、お気に入りの通りを見つけました。

トラートの町中にある有名な寺院、ワット・パイ・ロムへと至る道です。地図で見ると、通りの名前はプアック・ムアン通り。

プアック・ムアン通り@トラート

プアック・ムアン通りは、昔ながらの古い町並みの雰囲気を残しています。

落ち着いた雰囲気がある通りには、ぽつりぽつりと洒落たカフェがあったり、隠れ家的なブティックホテルがあったりと、実にイイ感じです。

特にお気に入りになったのは、アートギャラリー「Punyarit Art Callery」です。

アートギャラリー「Punyarit Art Callery」

人懐っこい、にゃんこがお出迎えしてくれます。

アートギャラリー「Punyarit Art Callery」のにゃんこ

オーナーのJowさんは、アーチスト。

アートギャラリー「Punyarit Art Callery」

店内には、Jowさん自らが手掛けた絵画作品が飾ってあります。

絵画作品の合間には、1970年代のレコードジャケットやレトロな雰囲気が漂う小物たち。

アートギャラリー「Punyarit Art Callery」

Jowさんは普段、軒先で作業をしていたりします。

アートギャラリーですが、ビア・レオ(Beer Leo)の小瓶をオーダーできます(50バーツ)。

ビア・レオ@アートギャラリー「Punyarit Art Callery」

自分は、ビア・チャン派なので、ちょっと残念ですが、とっても心が落ち着く、和みのカフェギャラリーです。

プアック・ムアン通りには、隠れ家的なブティックホテルもあります。

下の写真はプアック・ムアン通りにあるブティックホテル「Rimklong Bouticuq」。

ブティックホテル「Rimklong Bouticuq」@プアック・ムアン通り

下の写真は、別のブティックホテル。一見、タイの伝統的な民家のように見えます。

ブティックホテルt@プアック・ムアン通り

ところが、ある時、いかにも中国人らしい旅行客が出入りしているのを見かけて、初めて宿だとわかりました。

宿泊施設であることを示すサイン、看板などの類は一切ありません。

どうやらリッチな中国人旅行者軍団向けの宿のようです。洒落てますね。

プアック・ムアン通りから伸びるソイ(小道)に入ると、こんな洒落たペインティングも発見。

ペインティング@プアック・ムアン通りのソイ

ペインティング@プアック・ムアン通りのソイ

ペインティング@プアック・ムアン通りのソイ

ペインティング@プアック・ムアン通りのソイ

ペインティング@プアック・ムアン通りのソイ

敢えてモノトーンの彩色に仮面のような顔がイイですね。

トラートの著名なアーチストが手掛けた作品なのでしょうか?

ソイ(小道)にぶらり入ってみると、いろいろ発見があります。トラートの街歩きもなかなか楽しいですね。

暑くなければ、の話です。

パイ・ロム寺院(ワット・パイ・ロム / Wat Phai Lom)

パイ・ロム寺院(ワット・パイ・ロム / Wat Phai Lom)の入り口

パイ・ロム寺院は、恐らくトラートで一番有名な仏教寺院です。

町の中心部から歩いて15分程の距離にあります。敷地というか境内は広大。ほとんど公園です。

パイ・ロム寺院(ワット・パイ・ロム / Wat Phai Lom)の境内

入り口から入り、奥の方に進むと、大きな池の中央部に金色に輝くチュディ(仏塔)が鎮座しています。

パイ・ロム寺院のチュディ(仏塔)

タイでは非常に有名なチュディらしいです。自分的にはあまりピンとこない造形かな。

パイ・ロム寺院のチュディ(仏塔)

広大な敷地を持つ境内は、まさに地元民の憩いの公園といった雰囲気。

パイ・ロム寺院の池

自分が訪れた時は、地元高校生カップルが境内の池のほとりに座り、穏やかに静かに会話をいつまでも続けていました。

なんて慎ましく清楚なカップルなんだろう! と今だに強く印象に残っています。

パイ・ロム寺院は、1、2時間のんびりと散歩するのに絶好のポイントです。

ヨータ・ニミット寺院(ワット・ヨータ・ニミット / Wat Ytha Nimit)

ヨータ・ニミット寺院(ワット・ヨータ・ニミット / Wat Ytha Nimit)の入り口

ヨータ・ニミット寺院もタラートの代表的な仏教寺院です。別名、ボット寺院(ワット・ボット / Wat Bot)。

町の中心部から歩いて10分程の距離にあります。

本殿の建築様式が、タイ北部のランナー様式っぽいですね。

ヨータ・ニミット寺院(ワット・ヨータ・ニミット / Wat Ytha Nimit)本殿正面

仏塔も、自分は初めてみるタイプでした。

ヨータ・ニミット寺院(ワット・ヨータ・ニミット / Wat Ytha Nimit)のチュディ(仏塔)

なかなかりっぱなお寺です。

ヨータ・ニミット寺院(ワット・ヨータ・ニミット / Wat Ytha Nimit)

近くには、Chao Por Lak Muan Trat Shrineという中国寺院もあります。

中国寺院(Chao Por Lak Muan Trat Shrine)の入り口

こちらは、いかにも中国南方様式の廟です。

中国寺院(Chao Por Lak Muan Trat Shrine)

中国寺院(Chao Por Lak Muan Trat Shrine)

タイと南方中国の寺院の違いを見比べることができますね。

中国寺院(Chao Por Lak Muan Trat Shrine)

トラート博物館(Museum Trad)

トラート博物館(Museum Trad)の外観

トラートの歴史を知ろうと、トラート博物館に足を運びましたが、なんと16時で閉館。自分は入れませんでした。

トラート博物館(Museum Trad)の開館日時

ロンリープラネットによると、

トラートの魅力とは?

トラートには、特に大きな見どころとなるような場所は見当たりません。

あくまでチャーン島やクッド島、マック島などの島々、あるいはカンボジアに陸路で渡るにあたって、起点となる町という位置づけです。

逆にこうした特に大きな見どころがないタイの町って、何故か惹かれるものがあります。

お気に入りのカフェギャラリーのオーナーと話していると、実は一人の日本人が住んでいるんだ、と教えてくれました。

その時、何故か「ああ、なんか分かる!」と思いました。

のんびりまったり緩やかに時間が流れる、ちょっと眠い町。そうした場所に住んでみたい願望が自分にはあります。

いったい、こんな田舎町で1週間も何をやっていたん? と聞かれても困るのですが、チャーン島やマック島を行き来しているうち、ずるずると延泊。

気がつけば、2017年の12月、合計1週間、滞在してしまいました。

とにかく何もせずのんびりできます。

トラート。いつか数ヶ月、住んでみようかな? そんな思いを抱かせる町でした。

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