ミャンマー旅行の朝食はラペイエ(ミルクティー)と軽食で決まり!

ミャンマー式ミルクティー「ラペイエ」

一ヶ月の間、ミャンマー旅行をした際、毎日のようにラペイエザインへ行きました。ラペイエ(Lapeyet / လက်ဖက်ရည်)とは、甘~いコンデンスミルク(練乳)をたっぷりと使ったミャンマー式ミルクティー・紅茶です。

因みに、ミャンマーには、「ラペットウッ」と呼ばれる、お茶の葉を使った料理があります。つまり「ラペ」とは、お茶の意味です。
日本で紅茶と言えば、砂糖とミルク、あるいはレモンティーで頂くのが一般的ですが、ミャンマーでは、練乳砂糖+ミルクとなります。

ラペイエザインは、ラペイエを提供するお店のこと。ミャンマー方式の喫茶店です。揚げパンやサモサなどの軽食も提供するので、朝食にうってつけです。

朝食だけでなく、ちょっと喉が乾いたり、小腹が空いた時にもよく利用しました。

ラペイエザインでは、片言でもいいのでミャンマー語で注文すると、店員も「おっ! この外国人、分かっているな」と笑顔になります。ラペイエザインがグッと身近に感じられます。

以下、ラペイエの注文の仕方などをレポートします。

典型的なラペイエザイン

ラペイエザインは、どの町にも必ずあります。多くの場合、通りに面したオープンエアー形式の喫茶店です。

ダウェーの人気ラペイエザイン

ダウェーの人気ラペイエザイン

路上というか、路肩にプラスチックの机と椅子を並べる屋台のような店から、小洒落た雰囲気のお店、あるいは、100人以上収容できる大きなお店まで様々です。

パアンの屋外ラペイエザイン

バガンの屋外ラペイエザイン

日本で言うところの喫茶店のようなバガンのラペイエザイン

日本で言うところの喫茶店のようなパアンのラペイエザイン

嬉しいことに早朝5時頃からと、かなり朝早くから営業しているところが多くあります。早朝から営業しているラペイエザインでは、豆ご飯に目玉焼きを乗せたペータミン、あるいはモヒンガーやシャンカオスエといった麺料理も出しているところもあります。

 ダウェイのラペイエザインで食べたモヒンガー


ダウェイのラペイエザインで食べたモヒンガー

モーラミャインのラペイエザインで食べた豆ご飯

モーラミャインのラペイエザインで食べた豆ご飯

また、主に夜間営業しているラペイエザインもあります。夕方から夜10時、11時頃まで営業しています。サッカーの中継などで盛り上がっていたりします。中には24時間営業のお店もあるようです。

夜9時頃にはミャンマーの飲食店の多くが閉まってしまうため、夜遅くまで開いているラペイエザインは有り難いですね。

さて、ラペイエザインに入って好きなテーブルの椅子に座ると、店員が注文を取りにやって来ます。ラペイエを注文します。後述しますが、注文する時、紅茶の種類(甘さ)を指定できます。

運ばれてくるラペイエ(ミルクティー)は、泡立っています。これは、かなり上からカップめがけてラペイエを注ぐためです。こうして注ぐことで、味がクリーミー、まろやかになるそうです。

泡立つミャンマー式ミルクティー「ラペイエ」

泡立つミャンマー式ミルクティー「ラペイエ」

ラペイエをカップの上から注ぐ様子

ラペイエをカップの上から注ぐ様子

カップの底には、コンデンスミルクが層になってたまっているので、スプーンでかき回して頂きます。

テーブルの上には、揚げパンやサモサ、ケーキなどのスナック類を載せたお皿が置いてあります。ラペイエは店員に注文しますが、こうしたスナック類は特に注文・オーダーしなくても、通常、テーブルの上に乗ったものをそのまま手にとって食べることができます。

典型的なラペイエザインのテーブル

典型的なラペイエザインのテーブル

ちょっと手抜きのラペイエザインだと、ラペイエは粉末、スナック類は袋に入ったお菓子パンという店もあります(苦笑)。

ラペイエとお菓子

自分が入った何十軒ものラペイエザインでは、ラペイエと食べたスナック類の会計は、たいがい自己申告制でした。

また、ラペイエザインでは、テーブルに口直しに飲む中国茶が入ったポットと湯飲みが置いてあります。ミャンマー語で「イェーヌェジャン」と言うお茶です。こちらは無料で飲み放題です。お会計には入りません。

ラペイエザインの無料の中国茶「イェーヌェジャン」

ラペイエザインの無料の中国茶「イェーヌェジャン」

お会計の仕方ですが、飲んだラペイエ(紅茶)と、食べたスナック類を合計した金額をテーブル席で支払う形です。

自分はミャンマー語を話せないので、例えば、ラペイエと揚げパンを1つ、サモサを2つ食べた場合は、テーブルに残った揚げパンを指して「One」(一つ)と言い、さらにサモサを指さして「Two」(二つ)と言って、お会計しました。

ラペイエのお値段ですが、庶民的なラペイエザインだと300チャット(約18円)。ちょっと高めのラペイエザインだと500チャット(30円)が目安。スナック類を幾つか食べても合計3000チャット(約180円)といったところです。

激安ですね!

ミャンマー文化を反映する多彩なラペイエザイン

一ヶ月に及ぶミャンマー旅行では、ダウェー、モーラミャイン、パアン、バガン、マンダレー、カロー、インレー湖の北部に位置する町・ニャウンシュエに滞在しましたが、どの町でも必ずラペイエザインで朝食を取りました。

ミャンマーを旅行するのは初めてでしたが、すぐ気が付いたのは「ラペイエザイン」のスナック類に、それぞれ店の特徴が出ていることです。

どのラペイエザインでも、あま~いミルクティーは共通ですが、出されるスナックの種類が、まさにミャンマーを反映しています。

どのラペイエザインでも、定番メニューとして中国式の細長い揚げパン(Ei-Kyar-Kwe)とサモサ(Samosa)がテーブルに置いてあります。菓子パンやバターを使ったパウンドケーキも見かけます。

ラペイエザインの定番スナック類

揚げパンは、もともと油条(ヨウティヤオ)と呼ばれる中国のものです。サモサはインドのスナックです。パウンドケーキなどは旧宗主国であるイギリスの影響ですね。

さらにです。例えば、モーラミャインの人気ラペイエザインに入ったところ、揚げパンの他、肉まん、揚げ春巻き、シュウマイなど、ほとんど点心を出す飲茶のお店? かと思うほど。

モーラミャインの中国系ラペイエザイン

モーラミャインの中国系ラペイエザイン

中国系ラペイエザイン、揚げパン、肉まん、揚げ春巻き、シュウマイなど。

揚げパン、肉まん、揚げ春巻き、シュウマイ@モーラミャインの人気ラペイエザイン

ダウェーであるラペイエザインでは、ミャンマー語のハードロックが鳴り響く中、肉まんやチマキを提供していました。

ダウェーのラペイエザインで提供されていた肉まん、ちまき

ダウェーのラペイエザインで提供されていた肉まん、ちまき、など。

インド系のラペイエザインでは、サモサの他、プーリーとカレー、パラータなどのインドのスナック類がテーブルを提供していました。

インド系ラペイエザインのプーリー、など。

インド系ラペイエザインのプーリー、など。

前述した通り、朝早くから営業しているラペイエザインでは、モヒンガーやオンノ・カウスェーといった麺料理も出しているところもあります。まさにミャンマー料理です。

パアンのラペイエザインで食べたオノンカウスエ

パアンのラペイエザインで食べたオンノ・カウスェー

面白いなぁ。地理的に中国とインドに挟まれており、かつ歴史的にイギリスの植民地だったミャンマーを見事に象徴しています。

ラペイエの種類、注文の仕方

ラペイエザインに入って、好きな席の椅子に座ると、店員が注文を取りにやってきます。そこで、飲むラペイエの甘さ・苦さを指定して注文できます。

例えば、あまり甘くない紅茶を飲みたい場合は、「ラペイエ、ポンマン」と注文すればOK。「ポンマン」とは「普通」という意味で、ノーマルな甘味と苦味のミルクティーです。

自分は、「ポンマン」でも甘すぎると感じるため、「ラペイエ、チャゼイッ」と注文するようになりました。「甘さ、控えめの紅茶」という意味です。

多くの日本人にとっては、この「甘さ、控えめの紅茶」の「チャゼイッ」が合うと思います。

甘い紅茶を注文したい場合は、「チョーゼイッ」です。かなりかなり甘いです。

さらに「チョービィッ」となると、練乳と砂糖たっぷりの激甘・濃厚なミルクティーが出てきます。

地元ミャンマー人によると、これらはコンデンスミルクの量を軸にした注文の仕方とのこと。

後ほど知りましたが、細かく言えば十種類以上の注文の仕方があるそうです。さすがに外国人では、その微妙な違いは分からないと思いますが、とりあえず、以下の簡単な単語だけ覚えておけばいいと思います。

  • チョービィッ:激甘・濃厚
  • チョーゼイッ:かなり甘い
  • ポンマン:ノーマル(多くの日本人は甘く感じるはず)
  • チャゼイッ:甘さ控え目

初めてラペイエを飲むなら、「ラペイエ、ポンマン」と注文。飲んでみて「甘い」と感じたならば、次回からは「チャゼイッ」と注文すればOKです。

自分は、今回が初めてのミャンマー旅行だったため、当初は勝手が分かりませんでしたが、地元のミャンマー人に簡単な注文の仕方を教わってからは、すぐに「ラペイエ、チャゼイッ」と注文するようになりました。

ちょっと面白かったのは、ラペイエの種類を指定して注文すると、「おっ、この外国人、分かっているな」といった具合に、店員の反応が変化することです。

パアンで知り合った日本人旅行者と一緒にラペイエザインに行った際にも、「ラペイエ、チャゼイ」とてきぱき注文すると、「お前、ミャンマー語ができるんか!」と驚かれました。

なんちゃってミャンマー語なんですけどね(笑)。

地元ミャンマー人によると、各自お気に入りのラペイエザインがあり、注文する際は、自分の好みに合うよう細かく注文するそうです。

ラペイエザインは、地元民の社交の場としての性格を備えています。紅茶を軸としているところは、かつての宗主国であるイギリスの影響でしょうか。

とにかく、ミャンマーを旅行するなら、是非、ラペイエザインに足を運んでみて下さい。ミャンマーがグッと身近に感ることができるはずです!

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