長期海外旅行を前に日本の大手キャリアの周波数帯域(バンド)を確認してみた

2017年初頭、2~3ヶ月のタイ長期滞在旅行を計画しています。タイに滞在中、ネット環境はどうするか? 思案しました。

タイでは、ホテルやゲストハウス、あるいは町中のレストランやカフェなどでもWiFiが使える、という話をよく耳にします。

しかし、タイ滞在中は旅行関連の情報をチェックのみならず、ノマド仕事でもバリバリとネットに接続したい。というより、ネット接続しないと飯の食い上げです。

ノートパソコン+安定したネット環境は、自分にとって必須事項です。WiFi環境だけに頼るのは、ちょっと心配です。となると、

  1. モバイルWiFiルーターを使う→空港なのでレンタルする
  2. モバイルWiFiルーターを使う→日本なりタイで購入する
  3. SIMフリーのスマホをゲットしてテザリングを行う→ノートパソコンでもネットに接続できるようにする

という選択肢が考えられます。

日本では格安SIMフリー端末で格安SIMカード、タイではLTEネットワーク対応のSIMカード

モバイルWiFiルーターを使用するか、それともSIMフリーのスマホをゲットするか、主に予算を比較・検討してみて、SIMフリーのスマホをゲットする方向で行くことにしました。

どう試算してみても、SIMフリーのスマホ+タイのプリペイドSIMカードの組み合わせの方が安くなります。

SIMフリーのスマホを既に持っているならば、です。自分はSIMフリーのスマホを持っていないため、新たに購入する
必要があります。その予算が数万円、かかってしまい、結局、かなりコストがかさんでしまいます。

ところが、現在、使用しているAUのふるーい型のスマホを、そろそろ格安SIMに乗り換えようかなぁ、と考えていたところです。

そこで、3ヶ月の長期海外旅行を機に、日本でもタイでも使えるSIMフリーのスマホにしてしまうか! と考えました。

スマホとSIMカード

日本の大手キャリアの対応周波数バンド

そこで、日本の携帯通信事業社、の対応周波数はどーなっておるのか? 調べてみました。

Docomo、au、ソフトバンクの3社は、それぞれ自らの通信網を展開しています。

例えば、「2100MHzに対応」といった具合です。ここで出てくる「ヘルツ=Hz」は、電波の周波数の単位。

大手キャリア3社が展開している電波網はそれぞれ異なっています。

電波の周波数は、高い周波数になればなるほど、早く届くという電波の特性があります。逆に周波数が低くなればなるほど電波は遅くなります。

では、「全部、電波の周波数が大きくすればいいじゃん」となりますが、そうもいかない事情があります。

電波は音と同じく波の性質を持っているため、建物などの障害物があると、高い周波数の電波ほど直進に近いため、遮断されてしまう傾向にあります。

反対に、低い周波数の電波は、間に障害物があってもうまく回りこむという性質があり、より広範囲に電波が届きやすいことになります。

電波の速さとのトレードオフとなっているイメージです。

携帯電話事業者は、高い周波数から低い周波数まで複数の帯域で通信網を展開することで、ユーザーが快適に携帯端末を使えるよう便宜を図っています。

そこで、使用するSIMフリー端末が、各通信事業者が展開している通信網に対応しているのか、きちんと把握しておく必要があります。

日本の大手キャリアの対応周波数(帯域バンド)

LTEネットワーク

LTEバンドは、規格標準化団体「3GPP」によって世界共通の規格として策定されています。

Band 1、Band 2といった具合に数字をつけて表記され、それぞれのBandごとに周波数が決まっています。

日本の携帯通信事業者の対応周波数(帯域バンド)をまとめてみると、以下の通りです。

LTE Band 周波数 二重化モード 携帯通信事業者
Band 1 2100MHz
総務省表記 2.0GHz帯
FDD Docomo、au、ソフトバンク
※全世界で広く使用されている周波数帯
Band 3 1800MHz
総務省表記 1.7GHz帯
FDD Docomo、ソフトバンク
※全世界で広く使用されている周波数帯
Band 6 800MHz FDD Band19に吸収され、現在は使われていない模様
Band 8 900MHz FDD ソフトバンク
Band 11 1500MHz FDD au
Band 18 800MHz FDD au
Band 19 800MHz FDD Docomo
Band 21 1500MHz FDD Docomo
Band 26 850MHz FDD au
Band 28 700MHz FDD Docomo、au、ソフトバンク
※アジア太平洋地域で広く使われている周波数帯。2015年よりDocomo、au、ソフトバンクが順次展開
Band 41 2.5GHz TDD ソフトバンク
Band 42 3.5GHz TDD 2015年よりDocomo、au、ソフトバンクが順次展開

※1 Band 19は、Band 5・6・18・19を内包。
※2 Band 26は、Band 19を内包。
※3 Band 28は、2015年1月から順次開始

この表を作るにあたって、総務省の「各携帯電話事業者の通信方式と周波数帯について」というPDFファイルを見てみましたが、「Band 1」は「2.0GHz帯」、「Band 3」は「1.7GHz帯」と表記されています。

ところが、海外で使われているSIMフリー端末のスペックを片っ端から見てみると、たいてい「Band1」は「2.1GHz / 2100MHz」と表記されています。

そのため、該当する周波数帯のどの数値を基準にして周波数を表記するかは、厳密に統一的なルールがあるわけではない・・・(多分)。

自分としては、「海外旅行で使えるSIMフリー端末の機種選び」を念頭においているため、ここでは「Band 1」は「2.1GHz / 2100MHz」とすることにしました。総務省さん、ゴメンナサイ。

ところで、さらにややこしいことに、上記の周波数バンドはあくまでキャリアが現在、対応している周波数です。市販されている携帯・スマホ端末の機種が、必ずしもすべてのBand(周波数)に対応しているわけではありません。

例えば、Docomoの端末でも、古い端末の場合、新しくスタートした周波数帯域には対応していない可能性があります。

そこで、各周波数帯域についての解説メモをまとめみました。以下の通りです。

LTEバンドについてのメモ

Band 1(2100MHz)
日本のLTEは、この2100MHz帯を中心にエリア構築が進んだため、Docomo、au、ソフトバンクの3社が対応。LTE対応スマホなら全機種が対応しているハズ。高い周波数のため高速通信が可能。
Band 3(1800MHz)
全世界で広く使用されている周波数帯。日本ではDocomoとソフトバンクが対応。特にDocomoが力を入れており、東京(首都圏)・名古屋(中京圏)・大阪(近畿圏)で使える周波数帯。所謂“東名阪バンド”。
Band 19(800MHz帯)
Docomoが対応。地方を中心に整備。低い周波数のため通信速度は落ちるが、障害物を回り込んで届くため、繋がりやすい。プラチナバンドと呼ばれている。
Band 21(1500MHz)
Docomoが対応。北海道、東北、四国、北陸などの地方を中心に展開しているが、都市部でも展開。日本独自で使われている周波数帯のため、海外のSIMフリー端末は、まず使用できない。
Band 28(700MHz)
プラチナLTEと呼ばれる周波数帯で、Docomo、au、ソフトバンクの3社とも2015年から順次整備予定。利用者の多いエリアを補強する周波数帯域として今後、注目!

3Gネットワーク

それでは、3Gはどうなっているのかと調べてみると、こちらも3GPPという団体が「周波数帯」が策定しており、合計26のBandに分かれています。

3Gネットワークの各Band名は、数字ではなく、ローマ数字で表記するのが正式らしいです。Band IからBand XXVIまでです。

SIMフリーのスマホ端末のスペックを見ていると、LTEは「Band 1」と表記されているのに、3Gネットワークは「Band Ⅵ」と表記されていることがあります。ナルホド、そういうことなのね。

でも、これが紛らわしいですね。「Band XXVI」が「26」のことだなんて、瞬時に判りません。少なくても自分には。そこで、ここでは全て洋数字で表記することにしました。

LTEと3Gのネットワークをまとめみると以下の通りです。

Band
対応周波数
Docomo au ソフトバンク
(Y!モバイル)
4G Network
LTE
FD-LTE Band1(2100MHz)、Band3(1800MHz)、Band19(800MHz)、Band21(1500MHz)、Band28(700MHz:2015年順次スタート) FD-LTE Band1(2100MHz)、Band11(1500MHz)、Band18(800MHz)、Band26(800MHz)、Band28(700MHz:2015年順次スタート)
TD-LTE Band41(MHz:Wimax2+)
FD-LTE Band1(2100MHz)、Band3(1800MHz)、Band8(900MHz)、Band28(700MHz:2015年順次スタート)
TD-LTE Band41(800MHz:AXGP)
3G Network
HSDPA W-CDMA
Band1(2100MHz)、Band6(800MHz)、Band19(800MHz) ※CDMA2000 Band0(800MHz) ※バンドクラス6(2100MHz) Band1(2100MHz)、Band8(900MHz)、Band9(1700MHz)、Band11(1500MHz)

3G・FOMAプラスエリアについてのメモ

Band 1(2100MHz)
Docomo必須とも言える周波数。恐らく全ての機種が対応しているハズ。
Band 6(800MHz)
FOMAプラスエリア用。使用する地域でFOMAプラスエリアが含まれる場合は、対応している方がよさげ。
Band 19(800MHz)
LTEの普及に伴い、現在はあまり使われていない周波数帯域の模様。
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