沖縄でプチ登山:デーサンダームイと本部富士(ミラムイ)に登ってみた

デーサンダームイ山頂から望む本部富士

デーサンダームイ山頂から望む本部富士

新型コロナウイルスのオミクロン株が猛威を振るう2022年1月。沖縄・本部半島に点在する円錐カルストの山々に登ってみました。

沖縄と言えば、美ら海(美しい海)ですが、トレッキングや山登りもしたい! と思っている方も多いハズ。

本部半島の本部町から今帰仁村にかけて合計27つの円錐カルストがあります。その内、有名な4つの山に登ってみました。

デーサンダームイ、本部富士の通称で知られるミラムイ、ウフグシクムイ、そして今帰仁村に位置するクバの御嶽です。

以下、実際に登ってみた様子をレポートします。

なお、今帰仁村にあるクバの御嶽は、別の日に登ったたため、別記事でレポートしています。

今帰仁のパワースポット、クバの御嶽に登ってみた
2022年1月上旬、ダーサンダームイと本部富士に登ってみた後、今度は「クバの御嶽」を訪れ、クバの御嶽の山頂まで登ってみました。その時の様子をレポートします。

また、本部富士のすぐ近くのウフグシクムイも別の日に登ったため、別記事でレポートしています。

沖縄でプチ登山:本部円錐カルストのウフグシクムイに登ってみた
デーサンダームイと本部富士(ミラムイ)に登った後、今度はウフグシクムイに登ってみました。ウフグシクムイは、デーサンダームイや本部富士とは違って、登山口に案内表示がありません。そこで、ウフグシクムイの登山道入口の詳細を含めて、登頂記レポートします。

本部円錐カルストを知ったきっかけ

海もいいけれど、山でトレッキングしたい。沖縄に長期滞在中、ずっとその機会を伺っていました。

そんな折、本部にある海洋博公園内にある施設「やんばる情報ルーム」を訪れた時のこと。本部の円錐カルストという言葉を初めて知りました。

「やんばる情報ルーム」は、海洋博公園内にある数ある施設の中でも、かなーりマイナーな施設ですが、やんばる地方の自然、文化について様々なヒントを与えてくれます。

ここで、初めて円錐カルストという言葉を知り、興味を覚えました。そこで、ググってみたりしましたが、本部円錐カルストは人気の観光スポットではないためか、今ひとつ資料が少ないんですね。本部カルストがどんな風になっているのか、どうもイメージがわきません。

そもそも、どのルートから登ってたら良いのやら。スマホの地図を見ると、確かにそれらしき山々は記載されていますが、登山道が見当たりません。Google Mapだけでなく、困った時の頼みの綱であるMaps.meもチェックしてみましたが、どうもはっきりとしたルートが分かりません。

そんなある日、本部観光協会の前を通りかかりました。「むむっ。ここで分かるかも?」と思い、「本部カルストの山々に登りたいんですが」と相談。

すると、本部の円錐カルストのパンフレット資料はありませんでしたが、スタッフの方にいろいろアドバイスをもらうことができました。

スタッフの方によると、本部町から今帰仁村にかけて合計27もの円錐カルストの山が点在しているとのこと。
そのうち、有名なのがデーサンダームイ、本部富士、ウフグシクムイの3つの山。

円錐カルストは、沖縄海岸国定公園の一部となっていますが、面白いことに一つ一つの山(円錐カルスト)は、それぞれ個人や法人団体などが所有する私有地だったりするそうです。

これらは「本部ふるさと歩道」という整備された遊歩道から登ることができることが分かりました。アクセスルートについては、初めて行くなら本部町役場の近くを通る県道115号線を北上して、「本部ふるさと歩道 駐車場」へ行くと良いとアドバイスされました。

「本部ふるさと歩道 駐車場」は、トイレや自販機を備えた無料の駐車場。この駐車場が「本部ふるさと歩道」のスタート地点になっているそうです。

実際に訪れてみると、「本部ふるさと歩道 駐車場」と「Mt Motobu Fuji Trailhead」との間が、整備された遊歩道「本部ふるさと歩道」の一部となっていました。正式名称は、「円錐カルスト国定公園遊歩道」。

日本、沖縄県国頭郡本部町

日本、〒905-0218 沖縄県国頭郡本部町古島

日本、〒905-0218 沖縄県国頭郡本部町古島

日本、〒905-0219 沖縄県国頭郡本部町山里

日本、〒905-0218 沖縄県国頭郡本部町古島825

日本、〒905-0219 沖縄県国頭郡本部町山里

つまり、「Mt Motobu Fuji Trailhead」からも、デーサンダームイ、本部富士、ウフグシクムイなどの山に登ることができます。「Mt Motobu Fuji Trailhead」の入口付近にも駐車できるスペースがありましたが、あくまで数台分。

というわけで、本部観光協会のスタッフの方は、トイレや自販機も揃えた無料駐車場の「本部ふるさと歩道 駐車場」からのルートを勧めたようです。

ちなみに、「Mt Motobu Fuji Trailhead」のすぐ近くには、「そば処 夢の舎」があります。非常に趣のある古民家を改装した沖縄そばの店です。「そば処 夢の舎」は、お昼前には沖縄そばが売り切れてしまう、知る人ぞ知る隠れ家的な人気店です。

本部円錐カルストって何じゃらほい?

「本部円錐カルスト」は、地質学的に言うと、古生代ペルム紀から中生代三畳紀にかけて生まれた石灰岩が雨水によって溶食が進み、その結果、石灰岩が円錐状になった山。

本部半島のカルストは、沖縄の高温・多湿な気候によって本土よりも浸食が激しく、丘が円錐の形状をしたカルスト地形が形成されたそうです。日本国内で円錐カルストが見られるのは本部半島だけだそうな。

ちょっとフィリピンのボホール島のチョコレートヒルズを思わせますね。

ボホール島をバックパッカースタイルで楽しむ方法
絶景スポットの「チョコレートヒルズ」や世界最小のメガネ猿・ターシャで有名なボホール島をバックパッカー流に楽しむ方法・ノウハウをレポート!

円錐状になった山々の頂上部は、切り立った琉球石灰岩が剥き出しに露出しています。エメラルドグリーンに輝く海を見渡すことができる眺望と相まって、格好の絶景ポイント。

何だか前置きが長くなりましたが、実際に「本部ふるさと歩道 駐車場」から、デーサンダームイと本部富士に登った時の様子をレポートします。

本部町営市場から歩いて本部円錐カルストを目指す

自分が宿泊していた宿は、備瀬のフクギ並木近くのゲストハウス。「本部ふるさと歩道」からかなり離れています。しかも車は無し(苦笑)。まず、本部町公設市場まで徒歩で移動して、地図アプリを頼りに「本部ふるさと歩道 駐車場」まで歩きました。

本部町役場。

本部町役場

本部町役場

本部町役場を通り過ぎて、左に折れて、満名川を渡り、県道115号線に入ります。

満名川

満名川


県道115号線は今帰仁方面への近道になっており、ダンプカーばかり走っているので、歩いていて特に歩いて面白い訳ではないですね(苦笑)。舗装された坂道をひたすら山里方面に向かって歩きます。

途中、1月初旬というのに、もう桜が咲いていました。一番寒い時期に開花する寒緋桜です。

寒緋桜

寒緋桜

県道115号線の道沿いには、円錐カルストの看板がところどころ表示されています。

本部カルストの案内表示

本部カルストの案内表示

本部町営市場前を出発してから約30分ほどで、「カルストキャンプサイト(Karst Camp Site)」に到着。キャンプ場ですが、どうも休業している様子。その先に「北ぬ方 御嶽」への道がありましたが、今回はパス。

カルストキャンプサイト(Karst Camp Site)

カルストキャンプサイト(Karst Camp Site)

カルストキャンプサイト(Karst Camp Site)から5分ほど歩くと、左手に見事なまでに綺麗な円錐状の山というか丘が。これは何という山かしら。

円錐状の山

円錐状の山

さらに歩いて、「カフェ阿吽」の看板付近で県道115号線を左にそれて、蛇行している道に入りひたすら歩きます。

カフェ阿吽の看板

カフェ阿吽の看板

本部町営市場前から徒歩約50分、ようやく「本部ふるさと歩道 駐車場」に到着しました。備瀬のフクギ並木近くのゲストハウスから本部町営市場まで約6キロを1時間30分かけて歩き、さらに本部町営市場から「本部ふるさと歩道 駐車場」まで約3.6キロを約50分かけて歩いたことになります。プチ登山の前にこんなに歩くなんて、完全にバカですね(笑)。

本部町営市場から本部ふるさと歩道 駐車場まで歩いた行程

「本部ふるさと歩道 駐車場」は、特に観光地という感じではなく、ただ駐車できるスペースと、トイレと自販機があるのみ。

本部ふるさと歩道 駐車場

本部ふるさと歩道 駐車場

本部ふるさと歩道 駐車場
〒905-0219 沖縄県国頭郡本部町山里943-1

「本部ふるさと歩道」の地図と、円錐カルストの成り立ちや山里、古島、大堂一帯の植物を解説した説明看板があります。

「本部ふるさと歩道」の案内地図

「本部ふるさと歩道」の案内地図

カルスト地形の説明看板

カルスト地形の説明看板

山里、古島、大堂一帯の植物を解説看板

山里、古島、大堂一帯の植物を解説看板

説明看板の少し先に、「本部ふるさと歩道」入口の案内表示があります。早速、足を運んでみました。

本部ふるさと歩道入口

本部ふるさと歩道入口

遊歩道というだけあって、整備されている印象です。

本部ふるさと歩道

本部ふるさと歩道

遊歩道を古島の方面に進むと、地元の方らしきおじさんに遭遇。「登山ですか? どちらの山へ?」と声を掛けられました。

「デーサンダームイは、ちょっと先に進むと左手に赤い矢印があるから、そこから登れるよ。本部富士の登り口は、そこからさらに100メートルほど進むと、今度は右手に入る登山道があるよ」とのこと。

しかも、おじさん曰く「テーサンダームイはたった5分で登れるよー。本部富士は、テーサンダームイの3倍ぐらい大変かな」。

えっ? たったの5分? まじかー? と思いましたが(笑)、まずは簡単に登ることができるデーにトライ。体力が余っていたら、本部富士を登ってみることにしました。

遊歩道に入って3、4分ほど歩くと、何やら赤い矢印の案内表示があります。

デーサンダームイ山道の案内看板

デーサンダームイ山道の案内看板

デーサンダームイ登山道の案内看板でした。

デーサンダームイ登山道の案内看板のアップ

デーサンダームイ登山道の案内看板のアップ

赤い矢印の先には、細い獣道のような道が続いています。ところどころの木に赤いテープが目印として巻き付けてあります。それを頼りに登ってみました。

デーサンダームイ登山道

デーサンダームイ登山道

かなり急勾配となっている岩場。

急勾配のデーサンダームイ山道

急勾配のデーサンダームイ山道

張ってあるロープの助けを借りたり、両手を使って岩場を登ります。

デーサンダームイ登山道のロープ

デーサンダームイ登山道のロープ

ずっとこんな急勾配が続くのかな? と思いつつ登ると……。

急勾配のデーサンダームイ山道

急勾配のデーサンダームイ山道

急に視界が開けて、アッという間に山頂に到着しました。

デーサンダームイ山頂からの眺め

デーサンダームイ山頂からの眺め

スマホで時刻を確認すると、登り始めてから、本当にたったの5分しか経っていません。

たったの5分とはいえ、景色は最高! 

尖った石灰岩がむき出しとなった山頂は、かなり足場が悪いですが、視界が大きく開けており、見事な眺望です。

デーサンダームイ山頂の足場

デーサンダームイ山頂の足場

デーサンダームイ山頂の足場

デーサンダームイ山頂の足場

南西方向に、本部町漁港や瀬底島を望むことができます。

デーサンダームイ山頂から望む本部漁港、瀬底島

デーサンダームイ山頂から望む本部漁港、瀬底島

北西方向に目を向けると、備瀬や伊江島が見えます。

デーサンダームイ山頂から望む備瀬、伊江島

デーサンダームイ山頂から望む備瀬、伊江島

まさに絶景! たったの5分でこの景色を堪能できるとは。晴れていたら、さらに最高でしょうね。

本部富士が目の前にくっきりと見えます(この時は、分かりませんでしたが、後で本部富士に登ってみてわかりました)。

デーサンダームイ山頂から望む本部富士

デーサンダームイ山頂から望む本部富士

こちらは、ウフグシクムイ(こちらも、後日、ウフグシクムイに登ってみて、この山がウフグシクムイだと分かりました)。

デーサンダームイ山頂から望むウフグシクムイ

デーサンダームイ山頂から望むウフグシクムイ

山頂でしばらく見事な眺望を楽しんだ後、まだまだ体力は余っているので、本部富士を目指しました。

デーサンダームイ山頂からのパノラマ風景

デーサンダームイ山頂からのパノラマ風景

本部富士(ミラムイ)登頂記

デーサンダームイの頂上から「本部ふるさと歩道」に戻り、さらに遊歩道を奥の古島方面に進みます。

円錐カルスト遊歩道

円錐カルスト遊歩道

3分ほど歩くと、道なりの右側に赤い矢印表示がありました。

本部富士の登山道入り口の矢印看板

本部富士の登山道入り口の矢印看板

案内表示自体は遊歩道の右側にありますが、矢印自体は左を指しています。

本部富士の登山道入り口の矢印看板のアップ

本部富士の登山道入り口の矢印看板のアップ

「ん? 本部富士は右側では?」

遊歩道の左側には、特に道らしきものが見当たりません。そこで、これは「この先に進むという意味かな?」と思い、さらに遊歩道を奥に進むと、遊歩道が「山里」方面へと分岐する所に出ました。

「駐車場」「古島」「山里」の矢印表示と地図があります。地図で確認してみると、やはり本部富士は、先程の進行方向からみて、右側に位置しているはずです。

そこで、先程の赤い矢印表示まで戻ると、果たして案内矢印が反対方向を指しています。

本部富士の登山道入り口の矢印看板のアップ

本部富士の登山道入り口の矢印看板のアップ

つまり、「本部ふるさと歩道 駐車場」から来た場合は、遊歩道の右側にある「本部富士」の矢印案内があるところを、そのまま右側に入るのが正解。でも、矢印自体は左向きになっています(苦笑)。

右側を見ると、確かに道らしきものがあり、ところどころ木に赤いテープが巻き付けてあります。

本部富士の登山道入り口

本部富士の登山道入り口

本部富士の登山道

本部富士の登山道

赤いテープを目印に森の中を約8分ほど歩くと岩場になりました。グッとトレッキングっぽくなってきましたね。

本部富士の登山道のガレ場

本部富士の登山道のガレ場

急なガレ場にも、赤いテープの目印があります。

本部富士の登山道のガレ場

本部富士の登山道のガレ場

かなり急勾配となっているガレ場を両手を使って登ると(軍手のようなものがあるといいですね)、途中、見晴らしが良い所に出ました。

本部富士の登山道のガレ場

本部富士の登山道のガレ場

本部富士山腹からの眺め

本部富士山腹からの眺め

「この急勾配のガレ場は、どこまで続くのかな」と思い始めたころ山頂に到着しました。

遊歩道から赤い矢印看板を目印に本部富士の登山道に入り、たったの約15分しか経っていません。まさに、なんちゃって登山というか、ハイキングですが、けっこうトレッキング気分が味わえました。

本部富士の山頂は、デーサンダームイの山頂に比べて、さらに大きく開けています。

本部富士の山頂の足場

本部富士の山頂の足場

先が尖った石灰岩が剥き出しになっていることは、デーサンダームイと同じですが、山頂付近のスペースが広く、あちらこちら様々な地点から景色を楽しむことができます。

本部富士の山頂の様子

本部富士の山頂の様子

山頂から南側を望む景色。

本部富士山頂から東側の眺望

本部富士山頂から東側の眺望

南西方向を見ると、ちょうど瀬底島が山に隠れて見えます。

本部富士山頂から南西方向の眺望

本部富士山頂から南西方向の眺望

中でも、北側の眺望が最高でした。

本部富士山頂から北西方面を望む

本部富士山頂から北西方面を望む

伊江島がくっきりと見え、備瀬のフクギ並木に面したリーフ、そして新里の防波堤付近から具志堅、今帰仁へと続く海がエメラルドグリーンに輝いて見えます。

本部富士山頂から見た新里の防波堤付近

本部富士山頂から見た新里の防波堤付近

本部富士山頂から北側を望む景色

本部富士山頂から北側を望む景色

嬉しいことに、登り始めては曇りだった天気も、本部富士の山頂にいる間、晴れてきました。そこで、山頂からのパノラマ風景をたっぷりと堪能することにしました。

本部富士山頂からのパノラマ風景

本部富士山頂からのパノラマ風景

時刻は12時過ぎ。山頂に約30分ほど滞在した後、下山することにしました。さすがに今日は、かなりの距離を歩いたので、急なガレ場を降りる時は、足がちょっとぷるぷる震えました。急な岩場を降りるのは大変ですね。

本部富士の登山口へ至るもう一つの入り口

「本部ふるさと歩道」に戻り、今度は駐車場とは反対方向の先まで歩いてみることにしました。

先程の遊歩道が山里方面へと分岐する地点の案内看板を通り過ぎて、古島方面へと歩いてみます。

山里方面への分岐地点

山里方面への分岐地点

ほどなくすると、遊歩道は階段となっており、階段を降りきると、遊歩道の出口へ出ました。

古島方面へ続く遊歩道

古島方面へ続く遊歩道

グーグル・マップには、「Mt Motobu Fuji Trailhead」と表示されている所です。

本部ふるさと歩道の入り口グーグル・マップには、「Mt Motobu Fuji Trailhead」

こちらも「本部ふるさと歩道」の入り口の一つになっているんですね。地図アプリで確認すると、すぐ近くに「そば処 夢舎」があります。

つまり、「本部ふるさと歩道 駐車場」からでも、「Mt Motobu Fuji Trailhead」からでも、本部富士やデーサンダームイ、ウフグシクムイに登ることができることが分かりました。

「本部ふるさと歩道 駐車場」から「Mt Motobu Fuji Trailhead」までは、歩いた感じでは約600メートルほどの距離です。

本部ふるさと歩道の入り口マップ

本部ふるさと歩道の地図

ふむ。ということは、自分が宿泊している場所から来る場合、自分はめちゃめちゃ遠回りしたことになります。

後日、ウフグシクムイに登る時は、こちらの「Mt Motobu Fuji Trailhead」から登ることにします。

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