カンボジアの首都・プノンペンからアンコールワット遺跡群があるシェムリアップまでは多くの旅行者が通るルートです。
プノンペンとシェムリアップとの間は約320Kmほど離れています。日本で言えば、東京から名古屋の手前あたりまでの距離です。
プノンペンからシェムリアップまでの移動手段としては、飛行機、バス、バン、フェリーなどのアクセス交通手段があります。
2018年初頭、プノンペンに1週間滞在した後、アンコールワットを観光する拠点となるシェムリアップまで移動しました。その際、アクセス移動手段について細かく調べてみたので、以下、まとめてみました。カンボジア旅行の参考にどうぞ!
プノンペン⇔シェムリアップ間のアクセス移動手段
- 長距離バス
- 地元民用から外国人旅行者用まで10社以上のバス会社が運行。Mekong Express社、Giant Ibis社、他。
- 所要時間:6時間~7時間
- 料金:5~16ドルが目安
- ミニバン(Mini Van)
- 横3列の座席で、長距離バスよりも速く到着できます。Lattyta Express社など。
- 所要時間:約5時間30分
- 料金:10ドル前後が目安
- スピードボート
- 水量の多い雨季に運航。
- 所要時間:5~6時間
- 料金:35ドル
- 飛行機
- Basakka Air社、Cambodia Angkor Air社、Cambodia Bayon Airlines社、JC international airlines社、Lanmei Airlines社など合計5社が運航。
- 所要時間:約40分
- 料金:22ドル~
長距離バスでシェムリアップへのアクセス
プノンペンとシェムリアップとの間を一番安く移動できる交通手段が長距離バスです。当然、バックパッカーなどの個人旅行者の間で一番人気があります。
カンボジアの首都・プノンペンと観光都市・シェムリアップとの間を走る道は国道6号線です。地元の方に話を聞くと、10年前はバスでの移動は、ほとんど一日かかったそうです。
幸いなことに、ここ数年で道路は格段に整備されています。道の凸凹はほとんどなく舗装されており、6時間~7時間の所要時間で移動できます。
バスの車窓からは、移り変わるカンボジアの田舎の風景を楽しむこともできます。田んぼが広がる中、ぽつんぽつんとある高床式の家、水牛、などなど。
バスの場合、道中、カンボジアの風情を感じることができることも魅力の一つですね。
現在、プノンペンとシェムリアップとの間は、10社以上のバス会社が運行しています。ローカルな利用者がメインのバスから、外国人旅行者をメインとしたバスまで様々です。
バスの快適度などによって値段もかなりバラつきがあります。一番安いもので片道5ドル。この値段だと、客層は地元のカンボジア人でノンエアコン。しかも、道中、何度も停車してお客さんを乗せるるので移動に時間がかかります。
オススメのバス会社「ジャイアント・アイビス」(Giant Ibis)
オススメは、外国人旅行者をターゲットとしたバス会社です。お値段は9ドルから16ドルが目安。所要時間は片道6時間~7時間弱といったところ。途中、食事・トイレ休憩が入ります。
外国人旅行者に人気があるバス会社「ジャイアント・アイビス」(Giant Ibis)は片道15ドル。
値段がちょっと高い分、車内は綺麗で座席シートもゆったりめで、クッションも効いたしっかりとしたもの。もちろんエアコン付きで、フリーWiFi接続が可能です。
乗客にはクロワッサン1つと水のサービスが配られ、嬉しいことに全座席電源コンセント付きです!
安いことで有名なキャピトル・ツアーのバスなら片道6ドル
運賃が高めな分、快適な「ジャイアント・アイビス」(Giant Ibis)と対象的なバス会社が、格安バス会社のキャピトル・ツアー(Capitol Tour)です。
オルセー・マーケットの前にある老舗ゲストハウス、キャピトルゲストハウス (Capitol Guesthouse) のすぐ近くにチケット売り場があります。バス乗り場はチケット売り場の前です。
キャピトル・ツアーのバスの利用客は、完全に地元カンボジア人がメインです。
プノンペンとシェムリアップとの間を運行しているキャピトル・ツアーのバスは、車体が目立つ赤が目印です。
バスの外観は、いかにも長距離バスといった感じのしっかりとした感じですが、バスの座席シートはかなりくたびれた感じです。エアコン付きで、ペットボトルの水もサービスで付いています。
キャピトル・ツアーのバスチケットは、キャピトルゲストハウス (Capitol Guesthouse) の1階の食堂の脇にもカウンターでも購入できます。
こちらのカウンターでは、そこから歩いてほんの1分ほどの距離にあるキャピトル・ツアー(Capitol Tour)のチケット売り場より、高い値段でチケットが売られていると聞いていました。
そこで、実際に訪れて確かめてみると、どちらもシェムリアップまで片道6ドルで販売されていました。
ただし、一つだけ違いがあります。キャピトル・ゲストハウス の1階に設けられたキャピトル・ツアーのカウンターでは、主に外国人旅行者向けのVIPバスのチケットを扱っており、こちらは片道8ドル。スケジュールは14:00発の1日1便。
このVIPバスは、キャピトル・ツアー(Capitol Tour)のチケット・カウンターでは見かけませんでした。キャピトル・ツアーのカウンターで尋ねれば、このVIPバスのチケットも販売してくれるかも知れませんが、英語があまり通じないような……。自分は、そこまでは確認しませんでした。
プノンペンでの宿泊がキャピトル・ゲストハウス、あるいはオルセー・マーケット近辺なら便利ですね。
ただし、トンレ・サップ川のリバーサイドからは距離があるので、リバーサイド近辺に宿を取っているなら、移動が手間ですね。その場合は、リバーサイドの近くにあるナイトマーケットの東側付近に点在している他のバス会社がおススメです。
座席がベッドになっている夜間バス(ナイト・バス)
プノンペンとシェムリアップとの間を走るバスには、深夜発・早朝着のバスもあります。その中には、座席がベッドになっており、寝ることがきる夜間バス(ナイト・バス)もあります。予約・購入する時に確認してみましょう。
バスのチケットはどこで購入するの?
バス会社の多くは、ナイトマーケットの東側付近にチケット・カウンターを設けています。直接、カウンターを訪れてチケットを購入できますが、外国人旅行者向けのバスは、ホテルやゲストハウスのレセプションで手軽に予約・購入できます。
宿のレセプションなどでバス・チケットを購入する場合は、宿からバスまでの無料送迎サービスがあるか確認しておきましょう。
また、バスチケットは当日でも空席があれば購入できますが、前日までに購入しておくのがベターです。
「ジャイアント・アイビス」(Giant Ibis)の場合、公式サイトからネット予約もできます。ただし、その場合は+1ドルの手数料がかかります。
以下、主なバス会社の料金・時刻表をまとめてみました。
プノンペン ⇒ シェムリアップ バス会社のまとめ
バス会社名 | 出発時刻 | 料金 | 備考 |
---|---|---|---|
ジャイアント・アイビス Giant Ibis |
08:45、09:45、12:30、22:30、23:00、23:30 | 15ドル | エアコン、WiFi、軽食・水、電源付き ※22:30と23:30発は席がフラットになる夜行バス |
ビラック・ブンタン Virak Buntham |
18:30、20:00、21:15、21:30、23:00、24:00 | 13ドル | エアコン、WiFi、水付き |
メコン・エクスプレス Mekong Express |
07:30、08:30、12:30、14:25、23:30 | 14ドル | エアコン、WiFi、水付き |
キャピトルツアー Capitol Tour |
06:15、 07:30、08:30、10:15、12:00、13:30、14:30、15:30、17:30、20:00 ※VIPバスは14:00発 |
6ドル ※VIPバスは8ドル |
エアコン、水付き |
※2018年1月中旬時点のスケジュールです。
シェムリアップまでバスより速く移動できるミニバン(Mini Van)
プノンペンとシェムリアップとの間は、幾つかの会社がミニバンを運行しています。ミニバンなら長距離バスよりも多少、速く移動できます。所要時間は約6時間。
料金は片道10ドル前後が目安です。
ミニバンに乗車しての移動は、速く移動できることに加えて、シェムリアップでの降車地のロケーションが良い、というメリットがあります。
と言うのも、バスで移動すると、ほとんどのバス会社はシェムリアップ市内の外れに停車します。つまり、宿までの移動が多少、面倒になります。
ミニバンのデメリットとしては、満員の場合、車内が狭いため圧迫感があり、窮屈な思いをすることです。
プノンペン ⇒ シェムリアップを運行するバンのまとめ
会社名 | 出発時刻 | 料金 | 備考 |
---|---|---|---|
ビラック・ブンタン Virak Buntham |
07:00、08:00、09:00、10:00、11:00、12:00、14:00、15:00、16:00 | 12ドル | エアコン、WiFi、水、お手拭き |
ゴールデン・バイヨン・エクスプレス Golden Bayon Express |
07:00、08:00、09:00、14:00、15:30 | 11ドル | エアコン、水、お手拭き |
Larryta | 07:00、08:00、09:00、13:30、14:30、15:30、16:30、17:30 | 11ドル | エアコン、水、お手拭き |
VGS | 07:00、08:00、09:30、12:30、13:45 | 10ドル | エアコン、水、お手拭き |
メコン・エクスプレス Mekong Express |
17:30 | 12ドル | エアコン、WiFi、水付き |
ポストVIPバン Cambodia Post VIP Van |
07:00、08:00、09:30、14:00 | 9ドル | エアコン、WiFi、水付き |
飛行機なら40分でプノンペンからシェムリアップまでアクセス
シェムリアップにはシェムリアップ空港という、りっぱな国際空港があります。プノンペンからだけでなく、近隣諸国との間を空路で結んでいます。
飛行機は、多少、費用がかかるものの、最も迅速にプノンペンからシェムリアップまで移動できるアクセス手段です。
調べてみたところ、現在、プノンペン⇔シェムリアップ間は、合計5社の航空会社が運航していました。
バサッカ・エア(Basakka Air)、カンボジア・アンコール・エア(Cambodia Angkor Air)、カンボジア・バイヨン・エアラインズ(Cambodia Bayon Airlines)、JCインターナショナル・エアラインズ(JC international airlines)、ランメイ・エアラインズ(Lanmei Airlines)です。
中でもバサッカ・エア(Basakka Air)の航空券は格安料金で知られています。シーズンによって値段は異なりますが、タイミングが良ければ税込み価格20ドル。高い時で30~50ドルが目安で航空チケットを購入できます。
バサッカ・エアのプノンペン⇔シェムリアップ線は1日1往復のデイリー運航です。運航スケジュールは以下の通り。
プノンペン発09:20 シェムリアップ着10:00。
シェムリアップ発10:55 プノンペン着11:35
カンボジア滞在に十分な時間が取れない短期旅行の場合、飛行機を使えば効率的にプノンペンとシェムリアップを回ることができますね。
プノンペン駅からプノンペン空港まで移動できる「エアポート・シャトル」
なお、2018年4月10日からはプノンペン市内にあるプノンペン駅から、郊外のプノンペン空港まで移動できる「エアポート・シャトル」(Airport Shuttle)が運行しています。
プノンペン駅は、プノンペン市内にあるセントラルマーケットから見て北西方向に約700メートルくらいの距離にあります。モニボン通りとロシア通りが交差するところです。
現在はテスト運行ということで、乗車無料。早朝5時30分から深夜まで、約45分毎にプノンペン国際空港行きの列車「エアポート・シャトル」(Airport Shuttle)が出ています。
途中、ノンストップのため、空港までの所要時間は約30分。プノンペン国際空港の利便性が高まっていますね。
※無料テスト運行は、2018年12月末まで延長されているようです。
開放感溢れるスピードボートでトンレサップ湖を横断
プノンペンとシェムリアップとの間は、スピードボードも運航しています。
ただし、乾季の3月~5月はトンレサップ湖の水量が少なくなり、水かさが低くなる為、スピードボートの運行が取りやめとなることがあります。
スピードボートの運賃は片道35ドル。所要時間は5~6時間が目安です。
スピードボートはプノンペンのリバーサイドから出発します。プノンペンの人気ゲストハウスの一つ「ワンストップ・ホステル」(One Stop Hostel)やジャイアント・アイビスのバス乗り場のすぐ近くです。
スピードボートはトンレサップ川~トンレサップ湖を高速でグイグイ進んでいきます。
トンレサップ湖と言えば、水平線を360度見渡すことができる東南アジア最大の湖です。疾走感&開放感溢れるスピードボートで、道中、景色を堪能することができます。
ただし、安全性の面では難があるとも言われています。片道35ドルという料金を考えれば、飛行機で移動した方が良さそうな気もします。
また、シェムリアップの船着場に到着した後は、シェムリアップ中心部まで移動する必要があります。
スピードボートの利用は、飛行機での移動と同じぐらいの運賃がかかることを考えれば、「?」です。ちょっと変わった体験をしたい方向けですね。