メトロマニラ首都圏のクバオにあるバスターミナルからUBEエクスプレス(UBE Express)を利用して、マニラのニノイ・アキノ国際空港(NAIA)ターミナル1まで行ってみました。
UBEエクスプレス(UBE Express)と言えば、ニノイ・アキノ国際空港(NAIA)とマニラ市の中心部を結ぶシャトルバスですが、「本当に運行しているのか?」「ルートは実際、どーなっているのか?」と疑問に思っている方も多いはず。
なにしろUBEエクスプレスは、とにかく運行ルートやバスの運賃などがコロコロ変わるので、その実態が掴みづらいイメージがあります。
以下、2023年1月時点でのUBEエクスプレス(UBE Express)の運行状況、そして実際にUBEエクスプレス(UBE Express)を利用した時の詳細をレポートします。
コロコロ路線と料金が変更するUBEエクスプレス
UBEエクスプレス(UBE Express)が運行を開始したのは、2016年の2月のことです。「プレミアム・エアポート・バス」(Premium Airport Bus)と銘打ち、運行をスタートしています。
「ウベ=UBE」と言えば、フィリピンでよく見る紫色をしたヤム芋を多い浮かべますが、こちらは「The Ultimate Bus Experience」の略です。
とはいえ、ロゴデザインなどに紫色を使ったりと、しっかり意識していますね。
ニノイ・アキノ国際空港のFacebookのアカウントに、ポストされた記事が残っています。
フィリピン旅行好きの間では、「ニノイ・アキノ国際空港からマニラ市内へと行けるシャトルバスが遂に登場した!」と、ちょっとした話題になったものです。
ニノイ・アキノ国際空港には、合計4つのターミナルがありますが、4つのターミナルの間は、かなり離れており、ターミナル間の移動も難儀します。
ことにターミナル1は老朽化が激しく、職員のマナーも最悪。ニノイ・アキノ国際空港は旅行者の間では「最悪」と評されるほど、悪評ぷんぷんの国際空港です。
実際、世界の空港ランキングのたぐいでも、映えあるワーストに輝いたほどです。ソースは以下の通り。
さすがに、近年は「世界でワーストな空港」という汚名は返上していますが、それでもマニラ市内へのアクセスは、悪名高いぼったくりタクシーが跋扈しており、不便この上ない空港です。
それだけに、UBEエクスプレス(UBE Express)の登場は、フィリピン旅行者の間で話題となったわけです。
UBEエクスプレス(UBE Express)は、当初、ニノイ・アキノ国際空港⇔マカティ、ニノイ・アキノ国際空港⇔ロハスブールバードの2路線で運行をスタートしています。
バス運賃は、2つのルートとも一律300ペソでした。ほとんどタクシー並みの料金ですが、何かとトラブルが絶えないタクシーを利用したくない旅行者にとっては朗報でした。
その後、UBEエクスプレス(UBE Express)は5つのルートで運行するようになり、さらに2017年から4つのルートでの運行へと変わっています。
4つの運行ルートと、主な停車地点は以下の通りです。
- エンターテインメント・シティ・ルート(Entertainment City Route)
ニノイ・アキノ国際空港⇔SM エンターテインメント ホール⇔モール・オブ・アジア - ロビンソンズ・ルート(Robinsons Route)
ニノイ・アキノ国際空港⇔パン パシフィック マニラ⇔ロビンソンズ プレイス マニラ⇔イントラムロス - マカティ・ルート(Makati Route)
ニノイ・アキノ国際空港⇔グロリエッタ3⇔グロリエッタ4/グロリエッタ5⇔ザ ペニンシュラ マニラ⇔パーク スクエア マカティ - グランプリ・ルート(Grand Prix Route)
ニノイ・アキノ国際空港⇔カバヤン ホテル パサイ⇔グランプリ エコテル パサイ/ビクトリー ライナー パサイ
以上、4つの路線のバス運賃は一律に300ペソ。
ただし、UBEエクスプレスは頻繁にプロモーションを行っており、時期によっては片道150ペソ、200ペソといった具合に割引価格となることがあります。
残念なことに、ニノイ・アキノ国際空港から利用する際は、ターミナル3からしか運行していないことです。ターミナル1、ターミナル2、ターミナル4からは、UBEエクスプレスは運行していません。
ここで、ちょっとややこしいのは、例えば、クバオにあるバスターミナルからなどマニラの各所からニノイ・アキノ国際空港へと向かうUBEエクスプレスのバスは、ターミナル1、2、3、4の全てに行くことです。
「一体全体、どうして?」状態になりますが、とにかくそうなっているのでしょうがありません。
追記:2023年1月にUBEエクスプレスの運行最新情報をチェックしてみた
その後、UBEエクスプレスはある運航ルートを取りやめたりと、何度か変更しています。では、最新の運行ルートはどうやって確認するのか?
UBEエクスプレスの公式サイトやFacebookで確認することができます。
UBEエクスプレス公式サイトUBE Express
下は、UBE ExpressのFacebook。
これらを見ると、2022年12月1日の時点で、6つのルートで運行していることが確認できます。
- 「ビクトリーライナー・パサイ」ルート
- ニノイ・アキノ国際空港⇔パサイにあるビクトリーライナー・ターミナル
- 運行時間:04:00~19:00
- 片道料金:150ペソ
- 「アラネタ・シティ」ルート
- ニノイ・アキノ国際空港⇔クバオにあるアラネタ・シティのバスターミナル(アラネタ・センター・バス・ターミナル)
- 片道料金:200ペソ
- 「ロビンソン・プレイス・マニラ」ルート
- ニノイ・アキノ国際空港⇔マラテにあるロビンソン・プレイス・マニラ(Robinsons Place Manila)
- 片道料金150ペソ
- 「ワン・アヤラ」ルート
- ニノイ・アキノ国際空港⇔マカティ市にあるワン・アヤラ(One Alaya)
- 片道料金150ペソ
- 「アヤラ・モール・サウス・パーク」ルート
- ニノイ・アキノ国際空港⇔モンテンルパにあるアヤラモール・サウス・パーク(Ayala Malls South Park)
- 片道料金200ペソ
- 「ロビンソン・サンタ・ロサ」ルート
- ニノイ・アキノ国際空港⇔ラグナ州サンタ・ロサにあるロビンソン・サンタ・ロサ(Robinsons Sta. Rosa)
- 片道料金200ペソ
どの路線も、ニノイ・アキノ国際空港からはターミナル3からのみの出発。反対にニノイ・アキノ国際空港行きのバスは、ターミナル1、2、3、4の全てに停車するとあります。
「ワン・アヤラ」は、マカティ市に登場したばかりの新しいショッピングモールです。MRTのアヤラ駅(MRT Ayala Station)に直結している他、「One Ayala Terminal」というバスターミナルを併設しています。2022年12月1日からUBEエクスプレスが空港との間の運行をスタートしています。
「アヤラ・モール・サウス・パーク」(Ayala Malls South Park)は、マニラ首都圏内のモンテンルパ市アラバン(Alabang)にある新しいショッピングモールです。
それにしても、「ロビンソン・サンタ・ロサ」(Robinsons Sta. Rosa)まで行くルートがあることにはちょっとびっくりしました。空港からは約40キロも離れています。
ショッピングモールのSNSアカウントもチェック
アラネタ・シティ(Araneta City)のTwitterアカウントでは、2022年12月24日と25日のクリスマス休暇の運行スケジュールがアップされていました。
✈️ To our UBE Express passengers!
Please be advised of the Holiday trips schedule of the UBE Express from Araneta City to NAIA Terminals 1,2,3 and 4. 🚌
*Schedule as of December 24 and 25, 2022.#CityOfFirsts #AranetaCity #UBEExpress pic.twitter.com/ri6VDs8idx
— Araneta City (@AranetaCity) December 22, 2022
「アヤラ・モール・サウス・パーク」(Ayala Malls South Park)のFacebookアカウントでは、2023年1月4日に、Alabang(South Park)とMakatiとの間を結ぶRRCGトランジット社のバスの運行スケジュールなどが掲載されていました。
大きなショッピングモールでは、お客さんの足もとの便宜を図るため、バスなどをかなり安価な料金で提供していたりするので、気になるショッピングセンターのSNSはチェックしておくといいかも知れません。
クバオの「アラネタ・センター・バス・ターミナル」からUBEエクスプレスのバスに乗車してみた
2019年7月初頭、UBEエクスプレスを利用してクバオのアラネタ・シティ内にあるバスターミナルからニノイ・アキノ国際空港のターミナル1まで行った時の詳細をレポートします。
クバオには各バス会社のバスターミナルが密集しています。UBEエクスプレスの乗り場は、アラネタ・シティ(Araneta City)と呼ばれる一画にあります。
クバオのランドマーク的存在である「アラネタ・コロシアム」(Araneta Coliseum)のすぐ東隣にショッピングモールというか、ちょっとリッチな感じのスーパーマーケット「ショップワイズ」(Shopwise)があります。
「ショップワイズ」の東隣に「アラネタ・センター・バス・ターミナル」(Araneta Center Bus Terminal)というバスターミナルがあります。
「アラネタ・センター・バス・ターミナル」には、各バス会社のレーンが並んでいます。
UBEエクスプレスの乗り場は、この「アラネタ・センター・バス・ターミナル」(Araneta Center Bus Terminal)にあります。
バス乗り場だけでなく、UBEエクスプレスの専用待合室「P2Pラウンジ」(P2P Lounge)も用意されています。
この「P2Pラウンジ」の前がUBEエクスプレスのバス乗り場です。バスレーンは17番ですね。グーグルマップで正確な場所を表示すると以下の通りです。
クバオのアラネタ・センター・バス・ターミナル(Araneta Center Bus Terminal)にある「P2Pラウンジ」ってどんな感じ?
「P2Pラウンジ」の様子はこんな感じです。
単に椅子を並べただけの簡素な作りですが、警備員が常駐している待合室は十分に清潔です。液晶テレビとソフトドリンクの自販機が置いてあります。
ちゃんとトイレもあります。チェックしてみたところ、十分に清潔です。
事前にネットで調べてみたところ、アラネタ・センター・バス・ターミナルを19時発の便と、21時発の便が残っていることが分かっていました。
自分は、21時発のバスに乗車するつもりでしたが、バナウェからの移動の関係で、19時過ぎにはすでにクバオに到着してしまいました。
残念なことに「P2Pラウンジ」は荷物の預かりはしていませんでした。
そこで、警備員に「小一時間ですぐ戻るから」と頼み込んで、大きなバックパックをラウンジに置いて簡単な食事を取ることにしました。
クバオと言うと、自分は「カオスな場所」というイメージがありますが、アラネタ・センター・バス・ターミナル周辺は、それほどカオスではなかった印象です。
大通りのオーロラ・ブルーバード方面へ歩くと、途中にレストランやマクドナルド、ジョリビー、ピザハットなどのファストフードのショップがあります。
それにしても、なぜかアラネタ・コロシアムの周りはジョリーだらけです(苦笑)。
そこで、1ヶ月に及んだフィリピン旅行最後の食事は、ジョリビーで取ることにしました。
20時頃、「P2Pラウンジ」に戻ると、ラウンジ前にUBEエクスプレスのバスが停車していました。
早速、バスに乗り込もうとすると、車掌から「20時30分まで乗車できないから、ラウンジで待っていろ」と言われました。
うーん(苦笑)。
「P2Pラウンジ」に戻り、液晶テレビをぼんやりと見て時間を潰した後、20時30分過ぎにバスに乗車。件の車掌からチケットを購入しました。
バス運賃は100ペソ。かなりリーズナブルです。恐らく何らかのプロモーション料金のはずです。
バスの車内の様子はこんな感じです。
合成革のシートは、まぁまぁ清潔な感じ。乗客は、自分を含めて数名でした。
バスは20時40分頃、クバオを出発。
あれ? 21時発ではないの? 早めにP2Pラウンジに戻ってきて良かったです。
バスは小雨に煙るマニラをニノイ・アキノ国際空港へと走ります。
P2Pラウンジ前を出発して約1時間ほど経った21時35分頃にターミナル3に到着しました。
次いで、21時46分頃、国内線専用のターミナル4に到着。
そして21時55分頃、ようやく目的地であるターミナル1に到着しました。クバオのバスターミナルからの所要時間は約1時間15分でした。
※ターミナル1の次にターミナル2へと行くはずです。
さて、クバオからニノイ・アキノ国際まで普通のメータータクシーで行くとなると、400ペソ、あるいは500ペソはかかるはずです。コストの点では、良かったかな、という感じです。
デメリットは、タクシーと違ってバスの待ち時間があることですね。でも、日本へ帰国する便に乗るために空港に行くので、多少、待ち時間があっても気になりませんでした。
正直、ニノイ・アキノ国際からは、ターミナル3からしかUBEエクスプレスのバスに乗車できないため、マニラへと飛んだ時に空港からマニラ市内へと移動するために利用するかは、ちょっと微妙な感じがします。
日本からのフライトでターミナル3に発着する航空会社は、全日空とセブパシフィック航空なので、これらの航空会社を利用した時は、利用するかも知れません。
フィリピン旅行を終えて日本へ帰国する時には、急ぐわけではないので次回も利用しようかな、という感じです。
そして、運行時間はあまり正確ではないことがあるので、ある程度、時間に余裕を持ってバス乗り場へと移動しておきましょう!