タイとカンボジアとの間を陸路で国境超えするルートは複数あります。旅行者が陸路で国境超えできるルートとしては、アランヤプラテート(タイ)⇔ポイペト(カンボジア)が有名です。
その他にも、バンパッカード(タイ)⇔プロム(カンボジア)、あるいはシーサケット(タイ)⇔プレアヴィヒア(カンボジア)などがあります。
2017年12月にタイ東部のトラート県の沖合に浮かぶチャーン島とマック島に滞在した後、トラートを経由して国境近くの街、ハートレックまでミニバンで行き、カンボジア側のコッコンへと陸路で国境越えしました。
ハットレーク(タイ)⇔コッコン(カンボジア)ルートは、数ある国境の中でも、一番南側に位置する国境ルートです。
タイ側のハートレックは国境に面していますが、カンボジア側の国境に面した場所は、正確にはチャムヤム(Cham Yeam)という場所です。コッコンは国境沿いのチャムヤム(Cham Yeam)から約10キロほど離れた場所にあります。
チャムヤムにはイミグレーションオフィスしかないので、カンボジア側の国境の街は、コッコンになります。
アランヤプラテート(タイ)⇔ポイペト(カンボジア)国境越えルートは、主としてバンコクとアンコールワットがあるシェムリアップとの間を往来する旅行者が利用するルートです。
一方、ハットレーク(タイ)⇔コッコン(カンボジア)国境越えルートは、主にバンコクやパタヤ、あるいはチャーン島などタイ東部と、綺麗なビーチがあるシアヌークビル、および近くの島、コロン&コロンサレムとの間を行き来する旅行者が使うルートです。
タイのバンコク、パタヤ、あるいはチャーン島と、カンボジアのシアヌークビル(コッコン経由)との間は国際バスが運行しています。
タイ側、あるいはカンボジア側からの国際バスは、国境でいったんバスを降りて、歩いて国境越えした後、別のミニバンやバスに乗り換えるジョイント・スタイルです。
国際バスは多少高い分、便利ですが、自力で移動した方が安いです。以下、カンボジアビザ情報、陸路超えの注意点なども交えつつ、タイ側ハートレック→カンボジア側コッコへと国境越えした時の様子をレポートします。
カンボジアのビザに関する基礎知識
カンボジア王国に入国するには、必ずビザが必要です。カンボジアのビザに関する情報は、カンボジア大使館の公式サイトに掲載されています。
観光ビザの場合、シングルビザは、ビザ発行日から3カ月有効。有効期間内に1回だけカンボジアに入国して最長1カ月、カンボジアに滞在できます。
カンボジア好き旅行者の間では、数次ビザも人気です。数次ビザは、最長3年までの有効期間中、好きなだけでカンボジアに入出国できます。ただし、1回のカンボジア滞在は最長30日となっています。
カンボジアビザの取得方法
カンボジア王国のビザを取得するには、幾つかの方法があります。
- カンボジアの在外公館の窓口で申請
- 東京都港区赤坂にあるカンボジア大使館や、在大阪カンボジア王国名誉領事館などの在外公館の窓口に赴いて、ビザを申請、取得できます。日本全国から郵便でビザ申請することも可能です。
- E-Visa
- プノンペン国際空港、シェムリアップ国際空港で申請
- いわゆるアライバル・ビザというもので、プノンペン国際空港、およびシェムリアップ国際空港の2つの空港のビザカウンターで、1ヶ月間有効の観光ビザを取得できます。
- 陸路国境で申請
- 陸路でカンボジアに入国する場合、現在、タイと国境を接するポイペト、およびコッコンで、アライバルビザを申請できます。また、ベトナムと国境を接するバベットでも申請できます。ラオスとの国境では不可。
カンボジアの外務国際協力省の公式ウェブサイトで申請。支払いはクレジットカードのみ。
E-Viza申請公式サイト
前置きが長くなりましたが、自分は2017年12月下旬にトラート経由でタイ側の国境沿いの街、ハートレックまで移動。徒歩でカンボジア側に渡り、その場でアライバル・ビザを申請・取得しました。その時の詳細は以下の通りです。
ハットレーク(タイ) → コッコン(カンボジア)国境越えの旅程
実際にタイ側のハットレークからカンボジア側のコッコンまで陸路で国境越えをした時、利用した移動手段と所要時間・費用をまとめると、以下のようになります。
- トラート・バスターミナル発 16時6分 → ハートレック(Hat Lek)着 17時32分 ミニバン:120バーツ / 所要時間1時間26分
- ハートレック → チャムヤム(Cham Yeam)徒歩で国境越え イミグレーションオフィスでの時間を含めて約30分
- チャムヤム(Cham Yeam)発 18時21分 → コッコン(Koh Kong)着 18時45分 バイクタクシー:100バーツ / 所要時間24分
以下、一つ一つを詳しく見ていきます。
トラート・バスターミナルからタイ側国境のハートレックまでミニバンで移動
トラート・バスターミナルは、タイ東部に位置するトラート県の交通の要となるバスターミナルです。トラートの町の中心部からトラート・バスターミナルまでは、約1キロ~1.5キロほど離れています。
バスターミナル自体は、いかにもタイの中規模都市のバスターミナルといった作り。表の道からバスターミナル敷地内に入ると、正面にターミナル建物があります。
食堂は、ターミナルの建物とは別個の建物になっています。表の道からターミナル敷地内に入って右側方向にある平屋の建物です。
バスターミナルの建物の中に入ると、両側にバス会社のチケットカウンターが並んでいます。インフォメーションカウンターもあるので、各方面へ行くバスの乗り場などを確認できます。
ハートレック行きのミニバンのチケットは、ここで購入するのではなく、直接、ミニバンのドライバーに支払います。
バス乗り場は、ターミナルの建物の奥の方にあります。
ハートレック行きのミニバンは、バス乗り場の奥の方の右側にある13番乗り場から出ています。アルファベットで「CAMBODIA BORDER」と看板が掲げられています。トラートからハートレックまでの運賃も「120バーツ」とタイ語で書かれています。
トラート・バスターミナル発ハートレック行きミニバンの時刻表
ハートレック行きの13番乗り場には、時刻表が掲げてあります。早朝から夜まで1日23本運行。かなり本数が多いですね。
最初、この時刻表を見た時は、「15時45分から16時30分」とあるのは、「15時45分に出発して、16時30分にハートレックの到着」という意味なのか、それとも「15時45分から16時30分の間に、ハートレック行きのミニバンが出る」という意味なのか分からず、ドイツ人バックパッカーと議論(笑)。
結局、「15時45分から16時30分の間にミニバンが出る」という意味だろう、という意見に落ち着きました(笑)。ま、どう見てもそうですね。
所用時間は、自分の場合、約1時間30分かかりました。
なお、自分は16時発のミニバンに乗りましたが、カンボジア側のコッコンに着いた時は、既に日が暮れていました。もっと早い時間帯の便がオススメです。
ハートレックまでミニバンで出発!
ハートレック行きのミニバンでは、若いバックパッカーのドイツ人カップルと中年のドイツ人カップル、そして地元の方と一緒になりました。ドイツ人一行とは、カンボジア入国時に、おそらく請求されるであろう賄賂についていろいろ情報交換。
ミニバンは16時6分にトラート・バスターミナルを出発。ハートレックまでの道は舗装されていましたが、ところどころ道路工事中。海沿いの田舎道といった感じです。
トラート・バスターミナルを出発してから約1時間30分。17時32分にハートレックに到着しました。
ミニバンはイミグレーションオフィスから、50、60メートル程の離れた場所に止まります。カンボジア側からタイに入国した場合は、ここからトラート・バスターミナルまでミニバンで行くことができます。
周囲にはおみやげ屋さん、食堂などがあるだけ。本当に小さな街です。
道なりの奥の方の左側にタイ出国審査を行うイミグレーション・オフィスがあります。右側の建物はタイ入国審査の建物です。
出国用のイミグレーション・オフィス前の通路を歩くと、地元の人、といってもタイ人なのか、カンボジア人なのか判然としませんが、地元の方は何やらスタンプルらしきものをポンと押すだけでタイを出国しています。
自分も含めて外国人旅行者は、窓口でパスポートを提出。荷物検査も無く、特に質問されることも無く、パスポートに出国スタンプを押してくれます。あっさりとタイを出国。
タイ側のハートレックからカンボジアのチャムヤム(Cham Yeam)まで徒歩で国境越え
イミグレーション・オフィスを過ぎると、そこはタイとカンボジアとの国境の緩衝地帯です。夕暮れ時の海側を見ると、タイの国旗とカンボジアの国旗が仲良く並んで掲げられています。
2つの国旗が並んである所が両国の正式な国境線です。旅行者は、みんなスマホで写真を撮りだしたので、自分もパチリ。
カンボジア側のイミグレーション・オフィスでの出来事
約100メートルほど歩くと、カンボジア側のイミグレーション・オフィスがあります。オフィスのカウンター前には台があり、申請書類を記入出来るようになっています。
イミグレーション・オフィスの前には、暇そうなカンボジア男性が5、6人、たむろしています。その中の一人が、タイの入国ビザの申請書はここだよ、と教えてくれます。
この時点から警戒モードに入ります。チャーン島で出会ったバックパッカーから、カンボジア側のイミグレーション・オフィス前では、何かと世話を焼いては、お金をせびろうとする者がいる、と注意を受けていたからです。
てっきり「申請を代書してあげるから。はい、10ドルね」とでも言われるかと思いきや、自分で申請書を書き始めると、遠巻きに見ているだけでした。
急ぐ旅ではないので、のんびりと申請書の項目を埋めていると、オフィスの一番左端にある窓口にいるスタッフから「最初はこっちだ」と声を掛けられました。
一番左側のカウンター窓口のスタッフが言うには、「まずメディカルチェック」。といっても、窓口の中にある視力検査表のようなものを見せられただけです。
まぁ、これもメディカルチェックの一つと言えば一つかなぁ、と心の中で苦笑いしていると、おもむろに「はい、20バーツね」と言われました。
何だか笑いがこみ上げてきて、「冗談でしょ? ノー、ノー」と笑うと、相手も苦笑しながら、「行っていいよ」という手振り。あっさりクリアできました。
ビザ申請窓口前の台に戻り、ビザ申請書の項目を埋めます。幾つかの項目で記入にまごついていると、辺りをブラブラしているカンボジア人(恐らくバイクタクシーのドライバー)が、「そこは空欄でも大丈夫だよ」と教えてくれます。見返りの請求も特にありませんでした。
すると、ミニバンで一緒になった年配のドイツ人男性が、「写真、用意してきた? オレ、用意していないんだ」と不安そうな顔で尋ねてきました。
ビザを申請する時、必要な書類は申請書、パスポート、写真一枚。それにシングルの観光ビザの場合、申請料が1000バーツです。
後で、そのドイツ人に話を聞くと、写真代1ドルを余計に払ったそうです。といっても、写真撮影があったわけではなく、写真自体は無いまま観光ビザが発行されたとのこと。どういうことなんでしょうか(苦笑)。
カンボジア入国審査官が話した衝撃の内容とは?
ビザ申請書を書き終えたので、パスポートと顔写真一枚を添えてビザ申請窓口に提出しようとすると、窓口の男性スタッフから「お前はオフィスの中に入れ」と言われました。
「ええっ? オフィスの中に呼び出し? どういうこと?」
既に申請書とパスポートを提出し終えたドイツ人達は、こちらを不審気な様子で見ています。
若干、緊張した面持ちで窓口の左横にあるドアを開けてオフィスの中に入ると、そこは広さ10畳ほどの部屋。
中央に大きな事務机が置かれ、二人の中年男性の入国審査官がいます。その一人が、「お前、日本人か?」と尋ねてきました。
「イエス」と答えると、「そうか、そうか。まぁ、そこの椅子に座れ。実はな、オレの叔父が名古屋に住んでいるんだ」。
意外な展開! 名古屋には何回も行ったことがあるので、「名古屋は、味噌カツという美味しい料理が有名です。きっと貴方の叔父さんも味噌カツをエンジョイしていると思いますよ」と答えると、入国審査官殿は、さらに意外な言葉を口にします。
「AJINOMOTO!」
ええええっ? あまりに、あまりにベタな展開に、笑いのスイッチが入りそうです(笑)。むかーし、東南アジアを旅行し始めた頃、街中でよく「AJINOMOTO」と声をかけられましたが、まさか今時、しかも入国審査官が「AJINOMOTO」はないでしょう。
入国審査官二人は、既に申請されたドイツ人達のパスポートと申請書類をのんびりとチェックしています。パスポートをパラパラめくったり、ビザ申請書を眺めたり。
一人がパスポートをチェックし終えると、もう一人に向かってパスポートをポーンと空中に放り投げて渡します。パスポートを受け取った方は、実にのんびりと仕草でビザシールを貼り付けていきます。
「一体なんなんだ! この光景は!」と思いながら、フト、外を見ると、ドイツ人達が所在なげに、ずっと立ったまま。パスポートが返却されるのを待っています。
コレって、ワザとでしょ。意図的にゆっくりとビザ給付作業をして焦らすことで、自分達の特権的立場を誇示しつつ、欧米人達に意地悪しているようにしか見えませんでした。
自分は、暇つぶしの相手をさせれているだけと言うか、日本人に対しては、多少なりとも好意を持っているので、外で立たなくていいから、椅子に座って待っていろ、ということのようです。
椅子に座って待っている間、入国・出国カードも渡されました。よく分からない記入項目があると、入国審査官殿自ら記入の仕方を教えてくれました。親切と言えば親切ですね(苦笑)。
手数料? それとも賄賂? 謎の100バーツ追加請求
ようやく、「次はお前のパスポートだ」と言って、自分のパスポートにカンボジアのビザシールを貼ってくれました。
テキパキやれば、ほんの1、2分で終わる作業なんですけね。
なーんてことはおくびにも出さす、「ありがとうございます。はい、1000バーツです」と先手を打って、観光ビザの申請料金、1000バーツを渡そうとしました。すると、
「1100バーツだ」とのお言葉。
来たぁ! ビックリした様子を見せつつ、「えっ? 観光ビザの申請費用は1000バーツのはずです」。ここは断固として主張します。すると、入国審査官の二人はお互い目配せした後、一人が落ち着いた仕草で一枚の書類をテーブルの上に置きました。
むむぅ? 机の上に置かれた書類を見ると、英語の文章がプリントアウトされています。しかも、わざわざラミネート処理までされています。
その内容を読むと、確かに「30ドル+6ドル(Commission Fee)」と英語で書いてあります。
この書類を見た瞬間、自分の非力な脳みそのCPUが唸りをあげました!
「合計36ドルってことは、ええっと、1ドルが約30バーツだから、だいだい1100バーツで合っているか?(後でちゃんと換算すると約1170バーツ)。でも、コレ、怪しくね? 本当に正式な書類? ラミネート処理までされているし、本物っぽいけれど……。いやいや、こんな書類、自分達でいくらでも作れるでしょ。どこかのサイトに、そもそも陸路の国境越えでコミッションフィーは無い。もし請求されたら賄賂だ、って書いてあったような、無いような……。でもでも、仮に入国審査官が勝手に作成した偽モノだったとして、これが嘘の書類であると、今、この場で、どーやって証明するの、オレ? ……無理でしょ!」
「1100バーツ、払います」と答えました。
いやぁ、自分は1000バーツと聞いていたので。でも、こうやって「正式書類」(オフィシャル・ドキュメントという言葉を強調して言いました)を見た今、自分は勘違いしていたことが分かりました。失礼しました。
といった内容を簡単な英語で言うと、二人は「大丈夫、大丈夫。ノープロブレムね」と、穏やかに答えます。
後ほどググって確認してみると、ポイポトの国境で、自分と同じように1100バーツを請求されたものの、断固、拒否。1000バーツだけ支払って国境越えした日本人旅行者のブログを見ました。
今から考えると、自分だけオフィスの中に呼ばれたのは、この1100バーツという金額をドイツ人旅行者に聞かれたくなかったから、とも考えられます。
その時は頭が回らななかったので、ドイツ人たちがビザ申請にいくら支払ったのか確認しませんでした。ルールにうるさいドイツ人達が断固、100バーツの賄賂の支払いを拒否した可能性もあります。
まだまだ未熟ですね、自分は!
無事(?)にカンボジアの観光ビザをゲットして外に出ると、もう真っ暗。すると「次はスタンプを押せ」と言われました。あれ? まだ入国スタンプをパスポートに押してなかったんだ。
ビザ申請窓口のすぐ左側の窓口でパスポートを手渡すと、ポンっとスタンプを押して返されました。なんとも非効率的なお役所仕事です。
チャムヤム(Cham Yeam)からコッコンまでバイクタクシーで移動
「私達は、これからカンポットという町まで移動するけれど、貴方はどこまで行くの? 私達と一緒に行く?」
パスポートにカンボジア入国のスタンプを押してもらうと、ミニバンで知り合った若いドイツ人カップルが声をかけてきました。
自分だけオフィス内に呼ばれたので、心配してくれていたようです。何だか嬉しいなぁ、と思いつつ、「自分はシアヌークビルまで行くから。大丈夫、一人で行くから」と、そこで別れました。
国境からコッコンの町までは、約10キロほど離れています。イミグレーション・オフィスの周りを見ると、バイクタクシーしかいません。
あたりをたむろしていたバイクタクシーのドライバーが、コッコンまで連れて行ってやると言い寄ってきましたが、取り敢えず無視して歩き始めました。
その時、考えたのは、もう日が暮れているし、恐らく自分が最後の見込み客になるだろうということ。バイクタクシーの運ちゃんからすれば、最後の客は逃したくないハズ。コチラが強気に出ても、結局は、折れて来るだろう、という見立てです。
そこで、バックパックを背負ったまま道を歩き始めました。案の定、バイクタクシーの運ちゃんがついてきます。
「悪いね。オレ、歩くから」と歩き続けます。すると、「お前、本気か! とても歩ける距離じゃないぞ」と言ってきますが、無視して歩き続けます。
バイクタクシーの運ちゃんは、「お前、正気か?」と言いながら、バイクでのろのろ追いかけてきます。
少し歩いてから、ようやく振り返って、「実は、全くバーツを持っていなんだ。だから歩くよ」と答えると、「歩くなんて無理だよ。150バーツでいいぞ」
「歩くからいいよ」
「いくらならあるんだ?」
「102バーツ」
「本当か? 本当に本当か? 本当に100バーツしかないのか?」
「本当だよ」
「もし嘘なら許さないぞ。でも本当に100バーツしかないなら、100バーツで行ってやる」
許さないぞ、ってどーゆーことやねん!(笑)。本当に102バーツしかないんだから。入国審査官殿のビール代に100バーツが消えちゃったし。
100バーツで手を打ってバイクの後部座席に跨がりました。バイクが走り始めると、道の左側に大きな建物のネオンが輝いています。「あれは、ホテル?」と尋ねると、「カジノだ」
カンボジアの国境には、必ずと言っていいほどカジノがあり、週末、タイからの旅行客で賑わうようです。
「ありがとう、ってクメール語でどういうの?」「オックン・チュライ」
「長いなぁ。短くは、どういうの?」と聞くと、「オックン」。知り合いに「オックン」というあだ名の日本人がいたことを思い出して一人笑い。
しばらくクメール語のレッスンを続けていると、大きめ川に架かった長い橋を渡り始めました。後で調べてみると、カーパオ川(Kah Bpow river)です。
真っすぐ直線に伸びた長い橋はコッコン橋。全長1900メートルにも及ぶそうです。日中なら景色が良いでしょうが、とっくに日は暮れています。でも、夜は夜で疾走するバイクで斬る夜風が気持ちいいです。
約20分でコッコンの町に到着しました。コッコンはコッコン州の州都で、地図アプリを見ると正式名称はケマラッ・ポウミン市(Krong Khemarak Phoumin)。
午前中にアゴダで予約したゲストハウスの名前を告げると、バイクタクシーの運ちゃんは知っているようで、宿の前までいってくれました。オックン!
以上が、トラート→ハートレック→チャオヤム→コッコンまでの国境越えの顛末です。ハイライトは何と言っても、入国審査官殿の「AJINOMOTO」発言ですね!
ハートレック⇔コッコン国境越えはオススメルートか?
実際にタイとカンボジアとの間の国境超えをするまでは、いったいどんな障害が待ち構えているか? と身構えました。
ところが、意外なほどあっさりとハートレック⇔コッコンのルートで国境超えできました。
様々な方の旅行ブログを見ると、どうもアラヤンヤプラテート⇔ポイポトの国境超えの方がハードそうです。ハードというか、腐敗、賄賂が横行しているようです。
というわけで、タイからカンボジアまで陸路で国境越えしたい方は、ハートレック⇔コッコンのルートを試しては如何でしょうか。
それに、コッコンの街に一泊しましたが、落ち着いた雰囲気の静かな街。自分は、結構、気に入りました。