2022年1月上旬、ダーサンダームイと本部富士に登ってみた後、今度は「クバの御嶽」を訪れてみました。
本部円錐カルストを構成する山々の多くは、本部富士近辺に集中しています。
ところが、今帰仁城跡のすぐ西側にある「クバの御嶽」も、本部円錐カルストの一つと知ったことから興味を持ちました。
加えて、1月上旬に登った本部富士の頂上からの眺めを楽しんだ際、とりわけ目を奪われたのが、備瀬~具志堅~親泊にかけての海の綺麗さだったことも理由の一つです。
これまで具志堅ビーチや親泊浜辺は訪れたことがなかったので、「クバの御嶽」のちょうど通り道にあたるので、実際に歩いて見ることにしました。
なお、ダーサンダームイと本部富士(ミラムイ)に登った時の様子は別記事でレポートしています。
また、本部町にあるウフグシクムイも別の日に登ったため、別記事でレポートしています。
クバの御嶽(クボウ御嶽)とは?
「クバの御嶽」を調べてみると、クボウ御嶽とも呼ばれ、琉球開闢七御嶽の一つ。沖縄を作ったとされる女神・アマミキヨが2番目に作ったとされる御嶽だと分かりました。
山全体が聖域となっている御嶽で、沖縄最大の御嶽とされているパワースポットと説明されています。山を登る時は、自然と厳かな気持ちになりますが、「クバの御嶽」はとりわけ気持ちをひきしめて登ることにしました。
クバの御嶽(クボウ御嶽)までの道のり
2022年1月は、本部町の備瀬のフクギ並木の近くにあるゲストハウスに滞在していました。
備瀬のフクギ並木の近くにある「ホテル オリオン モトブ リゾート&スパ」から、やんばる急行の四島線で今帰仁城跡まで行くことができます。
でも、地図でみると歩ける距離。備瀬から具志堅、大泊に至るまでは歩いてみたことがないので、徒歩で行くことにしました。グーグル・マップで確認すると、備瀬のフクギの森からクバの御嶽まで徒歩約1時間30分とあります。
8時40分頃、宿を出発し、県道114号線沿いを新里方面へ歩き始めました。爽やかな朝で
具志堅公民館を通り過ぎるあたり、スプレー菊の畑が目立ちます。ちょうどスプレー菊の出荷の時期ですね。
田空ハーソー公園をちら見して過ぎて、具志堅ビーチに降りてみました。
ところが、プライベートビーチになっているのか、敷地に入れないような。そこで、東側に大きく迂回するように歩いて、具志堅ビーチに降りてみました。
県道505号に戻り、少し進むと何やら洒落た宿泊施設があります。トレーラーハウス型リゾートホテル「WOOD PECJER Route505」とあります。
さらに歩いて9時36分頃、ようやく今帰仁城跡へと至る「今泊交差点」付近に辿り着きました。
ここで、また海岸に降りてみることにしました。具志堅ビーチの東隣りにある「親泊海岸」です。
朝は曇りがちだった天気ですが、この時は晴れて、めちゃ綺麗です!
2週間前に登った本部富士からの眺めで、一番綺麗に見えたあたりです。
「親泊海岸」の景色を楽しんだ後、今帰仁城跡へ至る県道115号線に入り、今帰仁城跡を目指すことにしました。
クバの御嶽の山頂へ
10時頃、ようやく今帰仁城跡の入り口に到着。
県道115号線を挟んで向かい側にある駐車場の方向に降りてみました。
「クバの御嶽」の案内表示に従って、駐車場付近から細い道に入ります。
すると、細い道の左側に「クバの御嶽」という看板がありました。
参道に入ると、鬱蒼とした森が広がっています。
自然、厳かな気持ちとなりますね。歩みを進めると、すぐに参道の右側に小さな拝所のような所があります。
森の様子もかなり変化に富んでいます。
参道入口から3、4分ほど歩くと大木が倒れています。
森はかなり変化に富んでいます。
雰囲気のあるガジュマルも。
変化に富む森を静寂が包んでいます。
さらに奥へと進むと「今帰仁村歴史文化遺産」という案内表示と、参道の中央に何かがあります。
参道の真ん中にあるのは、お賽銭箱でした。さらに参道を奥へ進むと、3人の男性が拝んでいます。どうやら、ここがメインの拝所のようです。神聖な場所を邪魔してはいけないと、拝所の手前で待機することにしました。
参道入口からここまで徒歩5分程の距離です。
以下の写真は、クバの御嶽の頂上付近まで登った後、拝んでいた方がいなくなってから撮影した写真。
約30分ほど待機したところ、フト、拝所の手前の右横に道があることに気が付きました。拝所の手前右側、太い幹が3本に分かれている木のところです。
頂上へは、てっきり3人の男性が拝んでいる拝所の上の方を登っていくのかと思いましたが、どうやら拝所の上の方ではなく、拝所の手前を右に折れるようです。
太い幹が3つ分かれた木を目印に右に折れてみると、確かに山頂に続く登山道があります。
そこで、10時36分頃、クバの御嶽の拝所から山頂に向けて登り始めました。数分歩くとロープが張ってあったので間違いなさそうです。
最初はそれほど急な上り道ではありませんでしたが、急勾配となり、両手を使わないと登れません。
石灰岩のガレ場のようになっているところにも拝所があります。
急勾配となっている石灰岩のガレ場。
この状態が延々と続くとなると、ちょっとしんどいかな、と思ったあたりで、山頂付近に到着しました。
時刻を確認すると、クバの御嶽の拝所から登り始めて、約10分ほどしか経っていませんでした。
山頂付近からの眺望は、北西から東にかけて開けています。今帰仁城跡を一望のもとに見渡すことができます。
東側に目を向けると、屋我地島、古宇利島も綺麗に見えます。
北西方向に備瀬方面、伊江島が見えます。ほんの1時間ほど前は晴れ間も見えましたが、天気は再び曇り空になったことがちょっと残念。
クバの御嶽の頂上付近まで実際に登ってみると、ダーサンダームイよりは大変だけど、本部富士ほどではないかな、という感じです。
後ほど、本部円錐カルストを構成する山々の標高を確認してみると、ダーサンダームイは標高230メートル、本部富士(ミラムイ)の標高は240メートル。クバの御嶽は標高200メートル。ナルホド、ちょうど中間ですね。
さて、頂上付近の見晴らしの良い地点から、さらに奥に行くことができそうです。そこで、尖った石灰岩の上を奥に進んでみました。
すると、ここにも拝所がありました。山全体が御嶽となっていることを思い出します。
どうやら、このあたりが頂上に当たるのかな。ただ、木々が生い茂っており、視界は開けていません。
そこで、先程の見晴らしの良い地点まで戻り、景色を楽しむことにしました
晴れていたら最高なんですが、冬の沖縄は曇天や雨が多いのでしかたがないですね。
11時頃、下山開始。ロープをしっかり握りしめ、慎重に慎重に降ります。約8分で先程、3人の男性が拝んでいた拝所まで戻ることができました。
クバの御嶽の登頂も、言ってみればなんちゃって登山ですが、御嶽という神聖な場所だけに、登頂時は自然、厳かな気持ちになり、気持ちが引き締まりました。
山頂からの眺望の良さという点では、ダーサンダームイや本部富士(ミラムイ)の方が良い気がします。
でも、参道入り口からメインとなる拝所に至る道の雰囲気は、さすが「沖縄最大の御嶽」と言われるだけあります。まさに今帰仁のパワースポット。天気の良い日に、また登ってみたい!
以上、もう一つの本部円錐カルスト「クバの御嶽」登頂レポートでした。
今帰仁城跡は以前、訪れたことがあるので、入りませんでしたが、トイレを借りて一服。クバの御嶽の姿がくっきり見えました。