2018年1月初頭、シェムリアップに約1週間滞在して、アンコールワット遺跡群を回りしました。
アンコールワット遺跡群を見学するには入場券が必要です。入場チケットの購入場所は、2016年4月7日に移動しています。
また、入場券の値段も2017年2月に値上げされています。
その詳細をレポートします。
アンコールワット遺跡群の入場券の購入場所は2016年4月に移動
アンコールワット遺跡群を見学するには、「アンコールパス」(Angkor Pass)と呼ばれる入場チケットが必要です。
この入場チケットはアンコール・エンタープライズ(Angkor Enterprise)という政府系の組織が一括して管理・販売しています。
アンコール遺跡群の各所には入場チケットのチェックポイントが設けられており、スタッフから「アンコールパス」(入場チケット)の提示を求められます。
アンコールワット遺跡群の入場券の購入場所である「アンコールワット・チケット・オフィス」(Angkor Wat Ticket Office)は、2016年4月7日から新しい場所へと移動しています。
シェムリアップのゲストハウスで出会ったチャリダーのフランス人旅行者は、チケットの購入場所が移動したことを知らなかったため、せっかくのアンコールワットの日の出を見ることができませんでした。
そのフランス人は、アジア中を自転車で旅行者しており、当日の早朝も自転車でアンコールワットの近くまで移動。ところが、チケットオフィスがアンコールワットの近くにないことを知って愕然。
新しく移動したチケットオフィスに引き返してチケットを購入し、再びアンコールワットへ。そこで、「あれ? ルームメイトがいる」と気がついて話しかけてみると、「アンコールワットで日の出を鑑賞するチャンスを逃してしまった!」という顛末です。
トゥクトゥクのドライバーなら、さすがにチケット・オフィスが移動したことを知らない、ということはないと思いますが、地元カンボジア人でもチケット・オフィスが移動したことを知らないことがあります。実際、シェムリアップで宿泊したゲストハウスのマネージャーは知りませんでした。
自転車をレンタルして自力でアンコールワット遺跡群を鑑賞する場合、注意が必要ですね。
新しく移動したチケット・オフィスは、ストリート60(通称、60メーター・ストリート)とアプサラロードが交差する地点に位置しています。ちょうど北朝鮮が建てた噂の「アンコールワット・パノラマ美術館」隣りです。
シェムリアップの中心部から6キロほど離れた場所にあります。自転車でシェムリアップ中心部にあるゲストハウスからチケットオフィスまで行ったところ、片道約30分かかりました。
アンコールワット・チケット・オフィス(Angkor Wat Ticket Office)の詳細地図
2016年4月に新たに移動した「アンコールワット・チケット・オフィス」(Angkor Wat Ticket Office)の地図は以下の通りです。
アンコールワット・チケット・オフィスの様子
移動した「アンコールワット・チケット・オフィス」(Angkor Wat Ticket Office)は、堂々たる建物です。
チケット・オフィスの正面入り口から中に入ると、チケットブースが、なんと1番から47番まで延々とズラッと並んでいます。さすが世界に名だたる世界遺産のチケットオフィス!
自分が3日券を購入した時は、チケットブース内にいた若い女性職員から日本語で話しかけられました。何でもシェムリアップには日本語学校が2つあり、その内の1つで日本語を勉強したそうです。
夕方5時過ぎだっため訪れる旅行客はまばら。そのため日本語でいろいろ会話を楽しむことができました。
建物内には、ATMの他、カフェ、売店なども有り、実に広々としたスペースです。
トイレも利用しましたが、掃除も行き届いており、十分に清潔。
チケット・オフィスは、シェムリアップ中心部から、ちょっと離れているのが難点ですね。
チケットオフィスの営業時間
新しく移動した「アンコールワット・チケット・オフィス」(Angkor Wat Ticket Office)の営業時間は05:00~17:30まで。
早朝5時からと、かなり早い時間からオープンしています。これは早朝のアンコールワットでの日の出の鑑賞を目的とした観光客が多いためです。実際、早朝のチケットオフィスは、相当混雑すると聞きました。
そこで、アンコールワットで早朝の日の出を見学をしたい場合は、前日に入場チケットを購入しておきましょう!
チケットオフィスの営業時間は05:00~17:30です。
その内、05:00~17:00までが当日券の購入時間。残りの17:00~17:30の30分間は、翌日から有効となる入場チケットの販売時間となっています。
アンコールワットの日の出を鑑賞する場合は、前日にチケットを購入しておくのがコツですね。
アンコールワット遺跡群の入場券は3種類
入場券の種類は1日券、3日券、7日券の3種類あります。
1日券は、文字通り1日だけ有効なチケットです。1日間、出入り自由です。そこで、例えばアンコールワットで日の出を鑑賞した後、いったんホテルやゲストハウスに戻り、午後から遺跡群の鑑賞に出かけることもできます。
3日券は、10日間の有効期間の内、好きな日を3日間だけ入場できる入場券です。3日間連続して使う必要はありません。10日間の有効期間の内、任意の3日間を選択して使うことができます。
自分は2018年1月8日に3日有効券を購入しました。この場合を例にとると、入場券の有効期間は、翌日の1月9日から1月18日までの10日間。この10日間の内、好きな3日間を選んで入場できます。
10日間の有効期間の日付と顔写真などがプリントされています。
入場チケットの裏面を見ると、チケットの端にぐるっと日付が印刷されています。アンコールワット遺跡群のいずれかの遺跡を訪れると、入り口のチェックポイントで日付に穴が開けられます。こうして不正利用を防ぐ仕組みですね。
7日券は、1ヶ月の有効期間の内、好きな7日間を選択してアンコールワット遺跡群に入場できるチケットです。7日券だけは特別にラミネート処理されて発行されます。
余談ですが、シェムリアップの宿で7日券を購入した旅行者に出会いました。何でもアジア中をバイクで旅行しているのこと。シェムリアップには1カ月滞在する予定なので、7日券を購入したと言っていました。自分もそれぐらいの長期間、滞在してみたくなりましたね。
宿のスタッフは、「7日券を購入した旅行者を初めて見た」と言っていたので、7日券を購入する旅行者は、ごく少数のようです。
アンコールワット遺跡群の入場料金は2017年2月に爆上げ!
アンコールワット遺跡群の入場券は、残念ながら2017年2月に大幅に値上げされています。
入場券 | 有効期限 | 料金 |
---|---|---|
1日券 | 当日のみ有効 | 37ドル |
3日券 | 10日間有効 | 62ドル |
7日券 | 1ヶ月有効 | 72ドル |
おススメのチケットは3日券です。アンコールワット遺跡群は、非常に多くの遺跡から成りなっています。代表的な遺跡群を5つ周るだけでも、かなり時間がかかります。
アンコールワットの夜明けや夕焼けの鑑賞なども考えると、正直、1日だけではとても時間が足りません。シェムリアップ滞在に多少の余裕があるならば、翌日から有効となる入場チケットの3日券を前日に購入しておくことをおススメします。
それにしても、多くの旅行者が購入するであろう1日券が37ドル、3日券が62ドルという値段は強気な設定です。正直、かなり高いですね。
人類の偉大な文化遺産を後世に伝えるために必要なお金、と考えて支払うしかありませんね。
入場券はクレジットカードでの購入も可能
アンコールワット遺跡群の入場チケットは、以前は米ドルかカンボジア・リエルによるキャッシュのみでしたが、2018年8月から各種クレジットカートでの購入も可能となっています。
クレジットカードの手数料も特にかかりません。キャッシュによる購入と同額です。クレジットカードのレシートもちゃんと発行されます。
使えるカードの種類は、VISA、マスターカード(MasterCard)、JCB、ダイナースクラブ(Diners Club)、ディスカバー(Discover)、中国銀聯(ユニオンペイ)、など。
先に触れたように、チケットオフィス内にはATMもあります。各種クレジットカードやデビットカードで現金を引き出しできますね。
入場チケットの購入に際しては、パスポートの提示や顔写真などは必要ありません。チケット購入時にカウンター窓口で顔写真を取られます。その写真が、そのままチケットにプリントアウトされる仕組みです。
なお、12歳未満は入場券は必要ありません。入場チケット代わりにパスポートを提示すれば入場できます。
アンコールパス(Angkor Pass)で入場できる遺跡
シェムリアップ周辺には、多くの遺跡群があります。例えば、ロリュオス遺跡群、バンテアイスレイ、クバールスピアンなど。これらシェムリアップ近郊の遺跡の多くにも入場できます。
ただし、シェムリアップから数十キロ離れた遺跡、例えばプノンクーレン、ベンメリア、コーケー、プレアヴィヒア、バンテアイチュマールなどに入場するためには、別途入場料がかかります。
遺跡を見学できる時間
- アンコールワットの鑑賞時間は、05:00~17:30まで。
- プノンバケン、プレループは、05:00~19:00まで。
- それ以外の遺跡は、07:30~17:30まで。
自分は早朝、アンコールワットの日の出を鑑賞した後、自転車でアンコールトムのプノンへと移動しました。早朝なら、アンコールトムにある遺跡は観光客が少なく、ゆっくりと見学できるだろうと考えたからです。
ところが、アンコールトムの見学時間は午前7時30分からでした。結果、入り口でしばらく時間を潰すことになりました。事前に知っていれば、アンコールワットでもう少し見学したのに! と少しだけ後悔。
自転車をレンタルして自力で遺跡を回る場合は、多少なりとも事前の下調べは必須ですね。
アンコールワット遺跡群を鑑賞する際の服装規制
最後にアンコールワット遺跡群を鑑賞するにあたって気をつけておくべき事柄を一つ。
2016年8月4日から、ノースリーブ、膝上丈の半ズボン、ミニスカートなど肌の露出が多い服装は原則的に禁止となっています。
チケット・オフィスで入場券を購入する際も、旅行客の服装をチェック。服装規定に反する場合は、入場チケットを発行しないそうです。
自分は膝下まである6分丈のパンツとTシャツ姿で入場チケットを購入。同じ格好でアンコールワット遺跡を周りましたが、特に注意されませんでした。規定には反していないようです。
この“膝下まで”という丈が、ちょっと微妙のような気がしますが、多くの旅行客・観光客が膝が隠れた半ズボンのような服装で見学していました。つまり、自分が見た範囲では、膝が隠れていれば大丈夫なようです。
プノンペンに滞在した時、王宮&シルバーテンプルを膝下半ズボンとTシャツ姿で見学しましたが、入場を断られることはありませんでした。
ただし、欧米の若い女性がワンピース・ミニ(膝丈より上)姿でプノンペンの王宮に入場しよとしたところ、入り口で断られているところを目にしました。その女性は必死に抗議していましたが、入場は認められませんでした。
アンワコールワット遺跡群関連の参考サイト
アンコールワット遺跡群を管理している政府組織「アプサラ機構」(Apsara Authority)は、アンコールワットの公式サイトを運営しています。
公式サイトには、各遺跡の特徴や見どころ、イベント、服装規定などの情報が掲載されています。
アンコールワット遺跡群を鑑賞するに当たってのマナーを紹介した動画もアップされています。参考にどうぞ。
また、チケットを扱っているアンコール・エンタープライズ(Angkor Enterprise)の公式サイトもあります。クメール語が中心です。