2016年1月中旬、チェンマイでプリペイドSIMを購入しました。購入したのは、タイの大手通信キャリアの一つであるdtacのプリペイドSIMです。
プリペイドSIM購入目的は、主にSIMフリーのスマホでのデータ通信、そしてノートパソコンへのテザリング機能です。
実際に購入したのは、チェンマイのショッピングセンター内にあるdtacセンター。セットアップはスタッフの方に全てお願いしました。本当にプリペイドSIMは便利です。簡単にネット環境が整いました。
以下、SIM購入前に調べたこと、そして実際にSIMを購入した時の様子、および使用感をレポートします。
大手3社のツーリスト向けプリペイドSIMカード
タイの大手携帯キャリアは、「AIS」「dtac」「Truemove」の3社があります。
- AIS
- dtac
- Truemove
ほとんどの旅行者は、この3社のいずれかのプリペイドSIMカードを使っていると思います。
ツーリスト向けのSIMは、例えば、1週間タイを旅行して滞在する、といった具合に短期滞在者向けに特化したSIMパッケージです。
ツーリスト向けのSIMは、インターネット利用(データ通信)を初めから含んでいることが特徴です。
ツーリスト向けのプリペイドSIMカードを購入して、SIMフリーのスマホ端末に挿して、セッティングすれば、すぐにインターネット環境が整います。
各社によってツーリスト向けSIMのブランド名称は異なります。
各社のツーリスト向けSIMパッケージ
- dtac
- Happy Tourist SIM 49
- Happy Tourist SIM 299
- Happy Tourist SIM 599
- True
- TOURIST SIM 49
- TOURIST SIM 299
- AIS
- TRAVELLER SIM 299
- TRAVELLER SIM 459
タイの携帯キャリア各社は、ツーリスト向けのSIMパッケージ以外にも、別の種類のSIMパッケージも販売しています。
dtacは、Happy Tourist SIMの他、Happy 4G SIM、Happy Smartphone SIMなどのプリペイドSIMパッケージを販売しています。
Trueは、TRAVELLER SIMの他、FREEDOM SIM、NET SIMなどのプリペイドSIMパッケージを用意。
AISなら、TRAVELLER SIMの他、FREEDOM SIM、NET SIMなどのプリペイドSIMパッケージがあります。
3社のインターネット通信プランを比較・検討したいところですが、各携帯キャリア会社の公式サイトを見ると、「AIS」は、ほとんどタイ語のみ。「True」は一部が英語もありますが、タイ語を読めないため詳細内容がよく把握できません。
唯一「dtac」の公式サイトだけは、英語コンテンツが豊富に用意されています。自分でサービス内容や料金などを確認できるのは大きなメリットですね!
そこで各社のパンフレットを集めてみたり、ネットで調べてみました。
「AIS」は、他の2社に出遅れて、2015年末にようやくLTEサービスをスタートさせたばかり。4G環境が整っていないだろうと思い、考慮から外しました。
「dtac」と「True」の2社が提供するプリペイドSIMのサービス内容は、パンフレットを見比べてみる限り、さほど大きな違いはないようでした。
※後記
2017年6月初頭時点では、Trueの公式サイトの英語化が進んでおり、主なプランは英語でも確認できます。
AISは少しだけ英語ページも用意されています。
dtacの英語コンテンツは、依然として一番、充実しています。
dtacをチョイスした理由
結局、自分が選んだ携帯キャリアは「dtac」のプリペイドSIMカードです。「dtac」を選んだ理由は以下の2点です。
- 「dtac」の公式サイトで、SIMプランなどの詳細を英語で確認できること。
- 電話番号を長期間、手軽に維持できること。
dtacのツーリスト向けパッケージ「Happy Tourist SIM」の内容
どのプランのSIMパッケージでも、Standard、Micro、Nanoの3サイズに対応しています。
※2016年1月中旬時点のプランです。
– | Happy Tourist SIM 49 | Happy Tourist SIM 299 | Happy Tourist SIM 599 |
---|---|---|---|
価格 | 49バーツ(約150円) | 299バーツ(約1000円弱) | 599バーツ(約2000円弱) |
データ通信容量 | – | 7日間 1.5GB(LTE) | 15日間 4GB(LTE) |
初期残高(電話) | 15バーツ | 100バーツ | 100バーツ |
通話料金 | 0.99バーツ / 1分 | ||
SMS | dtacユーザー宛:3バーツ。他社ユーザー宛:8バーツ |
例えば「Happy Tourist SIM 299」なら、たったの約1000円で7日間、LTE(4G回線)を1.5GBまで使えるのは魅力ですね。
ただし、データ通信の容量を使い切ると、低速度に制限されます。
長期滞在者向けアドオン形式のインターネット・プラン
ところが、ツーリスト向けのSIMは、あくまでタイ1週間だけ滞在、といった具合に短期旅行者向けに特化した利用プランです。
自分はタイに最低2ヶ月滞在する予定です。タイに長期滞在する場合、30日単位のデータ通信プランをアドオンしてインターネットを利用する必要があります。
dtacのアドオン形式のインターネット・パッケージ・プラン
dtacの公式サイトで、アドオン形式のインターネット・パッケージ・プランを見ると、多様なプランが用意されています。その中で、30日単位のインターネット利用プランだけを書き出してみました。
※2016年1月中旬時点のプランです。
– | Happy Internet 299 | Happy Internet 399 | Happy Internet 699 | Happy Internet 799 |
---|---|---|---|---|
価格 | 299バーツ | 399バーツ | 699バーツ | 799バーツ |
データ通信容量 | 30日間 2.5GB(LTE) | 30日間 4.5GB(LTE) | 30日間 9GB(LTE) | 30日間 12GB(LTE) |
容量超過時の速度 | 128Kbps | 128Kbps | 384Kbps | 384Kbps |
WiFi | 無制限 |
この中から、30日間でデータ通信を4GB(LTE)まで使うことができるプラン「Happy Internet 399」をチョイスしました。
「dtac」を選んだ、もう一つの理由は、タイで取得した電話番号を、手軽に長期間維持することが出来るからです。
プリペイドSIMカードの入手方法
バンコクでプリペイドSIMカードを入手する方法
「dtac」に限らず、「AIS」や「True」など携帯キャリア各社のSIMカードは、スワンナプーム国際空港やドンムアン空港で入手するのが一番、確実です。
入国審査を終えて、税関、預け荷物をピックアップするバッゲージ・クレーム・エリアを抜けると各社のブースがあります。
空港で入手できなかった場合は、街中にある各携帯キャリアのサービスステーションや、ショッピングモール内、あるいは7-11などのコンビニでも購入できます。
dtacの場合、公式サイトで、タイ各地にある「dtacセンター」を検索できます。英語でも大丈夫です。
Store Locations and Quick Queue
チェンマイにあるdtacセンターでSIMを購入
自分の場合は、チェンマイ空港ではSIMカードを入手できなかったので、チェンマイ市街にある大型ショッピングモール「Maya」で購入しました。以下、その時の模様です。
「Maya」の4階に鮮やかなライトブルーを基調とした「dtacセンター」があります。
同じフロアに「AIS」のサービスステーションもありましたが、「True」のサービスステーションは入っていませんでした。
dtacセンターに入り、スタッフにプリペイドSIMカードを購入したい旨を英語で告げると、まず整理券が発行されました。
待つこと数分。すぐに順番が来たので、カウンターでSIMの購入です。
応対したのは若い女性スタッフ。なかなか美人です。事前に調べてあった「Happy Internet 399」プランを希望すること、さらに電話番号を6ヶ月間は維持したい旨を告げます。
お互い必ずしも流暢ではない英語での会話となりましたが、要点は把握してくれました。
持参したSIMフリーのスマホ、Sony Xperia J1をスタッフに渡します。あらかじめ「言語」メニューで、日本語から英語に切り変えておくのがマナーですね。
そこで、パスポートの提示を求められました。タイでは2015年夏から、プリペイドSIMの購入時に身分証明の登録が義務づけられています。外国人旅行者の場合は、パスポート番号です。
女性スタッフは、Sony Xperia の機種には慣れていないようで、SIMカードのスロットを開けるのに、かなりまごついていました。
SIMカードをSony Xperia にセットしてから、何やらさかんに操作しています。途中、何度かベテランの上司らしき男性にアドバイスを求めています。
……ひょっとして新人? という疑問が。だんだん女性スタッフの眉間が釣り上がってきて、イライラしていることが分かります(苦笑)。
ど、どしたん? 何か問題あり?
やっぱり、空港でSIMカードをゲットできるなら、それにこしたことはないなぁ、でもゲットできなかったから、とぼんやり考えていると、
「はい! これで終わり。料金は530バーツ!」
有無を言わさない雰囲気で宣言して、Sony Xperia と、購入したプリペイドSIMの紙パッケージを渡されました。
スマホを見ると、ちゃんと4Gのアンテナが立っていることを確認。料金を支払い、dtacセンターを後にしました。
ところが、宿に戻ってからミスを犯していることに気が付きました。領収書をもらっていません!
記憶では合計530バーツほど払ったことになっていますが、「あれ、535バーツだったかも?」 ほんの少し前に自分が支払った金額すら曖昧になってきました。トホホホ。
セットアップ後、購入したSIMパッケージの確認してみた
購入したプリペイドSIMの紙パッケージの表には、購入したSIMカードの電話番号が記載されています。
値段は49バーツ。Happy Tourist SIM 49を購入したことになっています。
紙パッケージの裏面にも、使用する電話番号と、SIMカードのシリアルナンバーが記載されています。
便利なコマンド番号
紙パッケージの中を見ると、トップアップ(チャージ)の方法と、クレジット・バランス(credit balance)の確認方法が記載されています。
これは、スマホの電話アプリを起ち上げて、半角の数値と記号を入力、ダイヤルすることで、プリペイドSIMカードの状態を確認する各コマンドの説明です。
例えば、「*101*9#」と入力してダイヤルすると、即、残高と有効期限が確認できます。
利用中のインターネット(データ通信)の内容を確認するには、「*101*1*9#」と入力してダイヤル。ほどなくするとSMSでメッセージが届きます。
購入したデータ通信サービス「Happy Internet 399」プランで、4.5GBまで使えることが確認できます。
さらに1GB分のデータ通信を7日間使用できるプロモーションも無料追加されていました。ラッキー!
押さえておきたい便利なコマンド番号は以下の通りです。
- *101*9# 残高と有効期限の確認
- *102*9# 電話番号の確認
- *103*8*9# 料金プランの確認
- *101*1*9# プロモーションの確認
- *118*9# ローミングのオン
その他のコマンドについてはDTACの公式サイトで詳細に紹介されています。
dtac prepaid self-service numbers | dtac
おさらいです。各コマンドを使うには、電話アプリを立ち上げてコマンドを入力。そしてダイヤルします。以下のような形になります。
取り扱い説明書(ユーザー・ガイド)
SIMカードの紙パッケージの中には、ちゃんと取り扱い説明書(ユーザー・ガイド)も入っています。
ところが、英語、中国語、ロシア語、アラビア語などで説明されており、日本語での説明は無し。残念。
dtacのSIMカードのAPN設定
「APN」の設定を確認してみました。アンドロイドのスマホなので、「設定」「その他の設定」「無線とネットワーク」と順にタップ。
さらに「ネットワーク設定」「モバイルネットワーク」「アクセスポイント名」をタップしてAPNを確認してみます。
「名前」が「dtac internet」、「APN」が「www.dtac.co.th」と設定されているだけで、「ユーザー名」「パスワード」「サーバー」などは空欄のままです。これでインターネットを使うことができました。
dtacからSMSで届いていたメッセージ内容
SMSを確認すると、以下のようなSMSメッセージが届いています。
国際電話は、3バーツ / 分。
といった内容です。
WiFiのユーザーネームとパスワードの案内も来ていました。dtacが町中に設置したWiFiも無料で利用することができます。
dtac公式サイトのマイページ
SMSで送られてきたメッセージにあるリンクを辿って、dtacの公式サイトの「mydtac」というマイページにアクセスしてみました。
すると、「Refill Histry」コーナーで、Refill、つまりトップアップした履歴を確認できます。
ナルホド! この履歴を見て、どんな風にトップアップ(料金チャージ)をしたのか、ようやく把握できました。
dtacからSMSで送られてきたメッセージと突き合わせみると、複数回、トップアップすることで、SIMカードの有効期間を伸ばしていたことが分かります。
なお、SIMパッケージの価格には、付加価値税(消費税)の7%が含まれていません。多少、余裕を持って予算を見ておいた方がいいですね。
計算してみると、支払った金額がどのような明細になっているのか、ようやく把握できました。
dtac専用アプリの活用
スマホの画面を見ると、dtac専用アプリがインストールされていました。dtacセンターの美人女性スタッフがイライラしながらインストールしてくれたようです(苦笑)。
もし、インストールされていなかった場合は、Google Playからダウンロードできます。
dtac専用アプリを起動すると、dtacのSIMを入れていれば自動的にオートログインします。
「Available balance」で、プリペイドSIMの残高と有効期限が確認できます。
もちろんデータ通信で使用できる容量も確認できます。容量が足りなくなりそうなら、トップアップ残高がある状態で、購入したいパッケージの「subscribe」ボタンを押すだけです。めちゃくちゃ楽ですね!
dtacのプリペイドSIMカード使用感
チェンマイは、WiFi環境が日本に比べて遥かに充実しています。宿ではWiFiがそこそこ使えるし、大概のカフェでもWiFiが使えます。
そのため、当初はチェンマイ市内の観光や散歩している時に、グーグルマップやMaps.meなどの地図ソフトを使う時にデータ通信を使うぐらいでした。
当初は、データ通信でインターネットのブラウジングなどをすることが、ほとんど無かったため、もっと安いプランで良かったかな? と思いました。
しかし、その後、チェンマイを離れてタイ北部に約1ヶ月間滞在した折は便利でした。移動しているさなかでも、ネットにアクセスして様々な情報を確認できて重宝しました。
田舎を訪れた時も、いつでもどこでもネット環境状態。テザリング機能も、問題なく利用できたので、パソコンで作業に勤しむことが出来ました。
いつでもネットにアクセス出来る安心感は、非常に大きいと実感しましたね!
データ通信のスピードを計測
最後に、データ通信のスピードを計測値を載せておきます。
ニマンヘミン近くの宿では、ダウンロードが14.38Mbps。アップロードが3.72Mbpsでした。
宿では、時間帯にも寄りますが、ダウンロードが5Mbpsから10Mbpsといったところ。Youtubeで動画を視聴するのに十分なスピードです。
チェンマイ近辺でデータ通信のスピードが一番速かったのは、意外なことにワット・ドイ・ステープの境内でした。
ダウンロードが24.72Mbps! アップロードは7.98bps。約一カ月、チェンマイに滞在中、最高速度です。
ロケーションから考えて、ちょっと無駄に速い気もしますが……。
チェンマイから約100キロメートルほど北の田舎を訪れた時は、ダウンロードが平均して約2Mbsでした。
決して速くはありませんが、自分の場合、2Mbs出ていれば、テザリングを通じてパソコンでネットにアクセス。もろもろ作業を行うことが出来るので、ノー問題です。
データ通信量が無くなったらオンラインで買い足し
データ通信を使い切ると、通信速度が規制が入ります。低速でのみ、ネットを使うことができるようになります。
しかーし! データ通信の容量は、オンラインで手軽にアドオン(追加)することができます。
例えば、29バーツ(約60円)で、1日1GMBまでデータ通信ができたりと、豊富なプランが用意されています。
アドオンは、電話アプリでコマンド入力、あるいはdtac専用アプリから、あるいはdtac公式サイトのマイページにログインして手軽に行えます。
また、マイページにクレジットカードを登録して使うこともできるので、わざわざコンビニなどに出向いてトップアップする必要もありません。
クレジットカードを登録することに不安を感じるのであれば、もちろん7-11などで手軽にトップアップできます。
タイ語が読めない自分にとっては、全て英語で操作できる点が◎です。
dtacのプリペイドSIMカードで不満に思ったこと
約2ヶ月に渡ってdtacのプリペイドSIMカードを使用してみました。
料金の面で不満は感じません。不満どころか、たった500バーツ余り(約1700円)で、4.5GBまで使えるLTEネット環境が整うのですから、dtac様様です。
日本からルーターを持参する必要性は特に感じません。むしろ、日本におけるSIMフリー環境の遅れが気になります。
チェンマイ限定で考えるならAISやTrueか?
唯一不満に思ったことはWiFiです。
自分が購入したインターネットのデータ通信のプランは、先に触れた通り、dtacが街中に設置した、独自のWiFiを無料で使うことができます。
ところが、チェンマイの街中で、dtacのWiFiサービスを使える場面に遭遇したことがありません。
これがバンコクなら、地下鉄の駅構内などでdtacのWiFiが使えると聞きましたが、
チェンマイに限って言えば、dtacのWiFi環境はほとんど整備されていない印象を持ちました。
その一方、AISとTrueのWiFiは、チェンマイの様々な場所でよく繋がります。AISやTrueが自前で用意したWiFiを上手に利用すれば、データ通信の容量をかなり低く抑えることができます。
チェンマイ限定で長期滞在を考えているなら、実はAISかTrueの方がおススメ! かも知れません。
以上、チェンマイでdtacのプリペイドSIMカードを購入して使用した時のレポートでした。
なお、タイでSIMカードを購入して使用することに、敷居の高さを感じるなら、旅行前の日本で、タイのSIMカードを購入してセットアップすることもできます。時代はどんどん変化しますね!