ミャンマーの南西部に位置するモン州にある都市・モーラミャインに約一週間滞在した折、「ノアラボー・パヤー」(Nawrlaboo Paya)と呼ばれる、もう一つのゴールデン・ロックが近くにあることを知りました。
ゴールデンロックと言えば、同じくモン州にある「チャイティーヨー」が有名です。ミャンマー仏教徒なら、人生で一度は訪れてみたいと呼ばれるほどの聖地です。
「ノアラボー・パヤー」は、第二のチャイティーヨーとも呼ばれ、ミャンマー仏教徒の聖地の一つとなっているそうです。
モーラミャインの安宿のスタッフからは、簡単に行けるよと言われ、ほとんどでたとこ勝負で自力で行ってみることにしました。
その時の様子をレポートします。
ノアラボー・パヤー(Nawrlaboo Paya)って、どこにあるの?
モーラミャインで宿泊したゲストハウスのスタッフの話によると、「ノアラボー・パヤー」までローカルバスに乗って行くことができるとのこと。
地図アプリでノアラボー・パヤーの場所を確認すると、モーラミャインから北西方向に約20キロちょっとの距離です。
標高約600メートルのノアラボー山の頂上に位置しています。
なんだ。近いじゃん! ということで、ローカルバス乗り場までテクテク歩いて、行ってみることにしました。
ところが……スタッフから聞いたバス乗り場、シッカリと違っていました(苦笑)。
教えてもらったところをウロウロ探し歩いてもバス乗り場らしき場所が全く見当たりません。
後日、スタッフに話を聞いたら、人づてに「ここらあたりでバスに乗れる」という話を又聞しただけの様子でした(がっくし)。
改めて地図アプリでノアラボー・パヤーの場所を確認すると、モーラミャインの西側を流れる大河・サルウィン川に架かる大きな「タンルゥイン橋」渡り、北西方向に進む幹線道路沿いから行くようです。
そこで、とりあえずタンルゥイン橋を渡る幹線道路まで歩いてみました。
ちょうどジャンクションのようになっているローターリー付近で警察官が検問チェックをしています。
すんまへーん。ノアラボー・パヤーまで行きたいんですが? と英語で話かけると、
「なに? ノアラボー・パヤーまで行きたいのか? よし! 俺にまかせろ!」と、ありがたいお言葉。
15分ほどぼんやり待機していると、果たしてノアラボー・パヤー方面に行くローカル・バスがやってきました。
「ほれ、このバスに乗れ。俺はポリスだからな。俺が言えば無料になるぞ!」とドヤ顔で、バスの運転手に何か言っています。
……笑い。
おそらく、「この日本人は俺の友人だ。ノアラボー・パヤーに行くから無料で乗せろ!」とか言っているんだと思います。
バスに乗車して30分でノアラボー・パヤーの入り口付近に着きました。
もちろんバスの運転手には、ちゃんとバス運賃を支払いました。といっても、たったの1000チャットしかかかりませんでした。
一応、自分がローカルバスに乗った地点と降りた地点をマップに記しておきます。橋を渡ってパアン方面に行く幹線道路に乗り入れるジャンクションというかロータリーになっている辺りです。
ミャンマー パウン JGV3+794
ここが本当にローカルバスの停留所なのかは分かりませんが、ミャンマーでは隣の州に行くには必ず検問所があります。このロータリーがちょうど検問所となっているので、全てのバスがいったん停車します。
なお、後述しますが、他の大きな街に行く長距離バスではなく、あくまでローカルバスに乗車しないと、ノアラボー・パヤーの入り口付近で、停車してくれません。
また、違う方面に行くローカルバスもあるでしょうから、周りのミャンマー人やバスの運転手に、片言でもいいから「ノアラボー・パヤー、ゴールデンロック?」と尋ねてみましょう。
ノアラボー・パヤー参道からノアラボー・パヤーまではトラックの荷台でGO!
ノアラボー・パヤーの入り口でローカルバスを降りると、何やら大きなゲートのようなものがあります。この門からは北に向かって参道のように道が伸びています。
門の脇には、参拝客の手足を清めるためでしょうか、水を貯めた場所があります。
参道のような道の右側には、簡易食堂が並んでいます。
何の下調べもしていなかったので、「一体、どんな感じ?」と思っていましたが、地元の人々にとっては人気巡礼地。時期によっては、いかにも訪れる人々で賑わっている様子が伺えます。
地図アプリを見ると、ちょうどノアラボー山の麓にあたるようです。さて、ここからどうやってノアラボー・パヤーまで行くの?状態でしたが、左手に何やらトラックの乗り場がありました。
これか! この乗り合いトラックみたいのに乗って行くんだ!
おそらく、ミャンマー仏教の大事な日などには、ミャンマー人の参拝者でとても混雑するんでしょうが、自分が訪れたのは2019年1月上旬の午前11時過ぎ。
ちょっと時間が遅かったからでしょうか、訪れている人はまばらです。
時刻表らしきものはないのかなぁ、と思いましたが、どうやらお客さんがいっぱいになったら出発する方式の様子。
乗り場にいた青いシャツを来た若者に出発時間を尋ねると、「フュー・ミニッツ」との返事。
しばらくトラック近くで待機しましたが、いっこうに人が集まらないし、出発する気配もないので、軽く食事を取ることにしました。
念の為、トラックの乗り場のすぐ近くの食堂をチョイス。トラックが出発しそうな気配になったら、すぐわかりますからね。
フィッシュボール・ヒン(2000チャット)を頼んで、食後、サトウキビジュース(500チャット)を頂きました。
時刻は12時過ぎ。ようやくトラック乗り場にミャンマー人達が集まってきました。そろそろ出発する気配。
それにしても、トラックの乗り場の様子が凄いですね。
トラックの荷台には、横に何枚もの板が並べてあります。どうやら、これが座席らしい。
ピックアップ・トラックの荷台を詳細に見ると、一枚の板に6人がけ、それが7列あります。
料金は、往復で2000チャットでした。
行きに2000チャットを支払うと、帰りのトラックにはそのまま乗ることができました。
ノアラボー・パヤー内に入る時、特に拝観料はないこと、さらに一般車両は禁止されていることから、このトラックの乗車料金が拝観料を兼ねているのかもしれません。
乗客は、自分以外、全員が家族連れなどのミャンマー人でしたが、みんなウキウキと楽しげな雰囲気に溢れています。
参拝客というよりも、観光名所を訪れる旅行者のような感じです。ことに若い女性たちからは笑い声が耐えなかったので、自分も何やら楽しい気分になりました。
さて、ノアラボー山の麓にある入り口からノアラボー・パヤーまでは数キロ離れていますが、かなり急な勾配の山道です。
この急勾配の山道をドライバーがガンガン飛ばす、飛ばす! ほとんどジェットコースター並み。
スリル感もあって、景色も良し!
この蛇行する山道をさらに進むとノアラボー・パヤーへと至ります。
途中、山腹にある待機所のような所で数分、停車。恐らく参拝を終えたお客さんを載せたトラックと、すれ違うためかな。
あいにくの曇り空でしたが、トラックの荷台から外界を見下ろすことができて、気分爽快です。
山腹のトラック待機所を後にして、ほどなくしてノアラボー・パヤーの入り口に到着しました。
後ほど地図アプリで確認してみると、ノアラボー・パヤーの入り口からノアラボー・パヤーまで5.5キロ。所要時間は25分でした。
参拝客用トラックを降りると、目の前がノアラボー・パヤーの入り口です。
履き物を脱いで、門をくぐります。
人の流れに沿って進むと、テラスのような見晴らしの良い場所に出ます。
テラスの奥に進むと右手に、おおっ! これか! 燦然と起立する黄金色に輝くパコダ。
そしてテラスからの見事な眺望!
そして大きな銅鑼!
来て良かった!
見る角度によって絶妙なバランス感がわかるノアラボー・パヤーのゴールデンロック
気を落ち着けて、ノアラボー・パヤーのゴールデンロックをじっくりと見てみました。
すると、見る角度によって随分、印象が変わることに気づきます。
ゴールデンロックの重なり具合を詳細に見ると、土台となる大きな岩の上に、中ぐらいの大きさの岩があり、さらにその上に細長い岩が絶妙なバランスで起立しています。
確かに、転がり落ちそうで落ちない絶妙なバランス感。
でも、漠然と想像していたほどは大きくなかったような。ちょっと小ぶりな印象です。
後日、チャイティーヨーのゴールデンロックを訪れた人に話しを聞くと、チャイティーヨーのゴールデンロックは、もっと大きいサイズだそうな。
チャイティーヨーのゴールデンロックもノアラボー・パヤーも、てっぺんにあるパゴダ(仏塔)の中に収められた仏像の毛髪の力によりバランスが保たれている、と信じられているとのこと。
グーグル・マップにも「Nwarlaboh Taung Sacred Hair Pagoda」とあります。ナルホド。
ノアラボー・パヤーのゴールデンロックのテラス下を散策
見晴らしの良いテラスの下にもパゴダがあり、階段があるので素足のまま降りてみました。
テラス下からゴールデンロックを見上げることができます。
テラス下にあるパゴダ。
辺りをのんびり散策しましたが、絶景ですね。遠くに、大河・サルウィン川を望む景色が美しいですね。
同じトラックで来た少女達のグループが、楽しそうに盛んに記念撮影しています。
これも後から知った事柄ですが、ノアラボー・パヤーのゴールデンロックは、チャイティーヨーのゴールデンロックと違って、女性でも触ることが許されているそうです。
そのため、ミャンマー女性の人気スポットになっていると知りました。ナルホド。どうりで女性参拝客が目立っていたんですね。
それにしても、少女達のの可愛いファッション。服のあちらこちらから長い紐が伸びています。最近のミャンマーの流行りのファッションなんでしょうか。
その可愛い衣装の少女たちに一緒に記念撮影を誘われました。賑やかで、笑い声が絶えないグループで良い感じ。
ノアラボー・パヤーは、標高580メートルのノアラボー山の頂にあります。天気が良ければ、さらに見事な眺望を楽しむことができたでしょうね。
持参したスマホがしょぼいため、あまり素敵な光景に見えないのが残念と言えば残念です。
ノアラボー・パヤーからモーラミャインまではソンテウを利用
ノアラボー・パヤーで小一時間ほど過ごした後、モーラミャインに戻ることにしました。
ノアラボー・パヤーの門前で停車しているトラックに乗車。
帰りも近隣の山々の眺望を楽しみました。でも、ドライバーはちょっと飛ばしすぎ。少し怖いぐらいです。
参道までの所要時間は25分。
モーラミャイン行きのローカルバスを待つため、ちょうど参道の真ん前にある幹線道路沿いにある雑貨屋のような店で待機。
すると、店の方がミャンマーでは「クーン」と呼ばれるキンマの噛みタバコをプレゼントしてくれました。
ヤシ科の植物・ビンロウ(檳榔)の果実の種子に、石灰などをまぶしたキンマの葉でくるみ、ガムのように噛む嗜好品です。
これでも感で、キンマで時間を潰せば? ということですね(笑)。
ローカルバスを待っていると、大きなバスもやってきますが、大きなバスは長距離バス。乗車できません。
あくまで小ぶりのローカルバスを持っていると、タイで言うところのソンテウ(乗り合いミニバス)が通りかかり、声をかけてきました。
あ、これでもいけるんだ。
ソンテウは満席だったので、座席後部の後ろに立ったまま移動。
サルウィン川にかかった大きな橋「タンルゥイン橋」の手前に来ると、トゥクトゥクが止まり、乗客全員に1000チャットの料金を支払うよう言われました。
トゥクトゥクは大きな橋を渡りきったところで停車。ここが終点のようで、乗客全員が降ります。
ノアラボー・パヤーに行く時、バスに乗った地点の手前になりますが、所要時間は約1時間余り。行きのローカルバスとほぼ同じ距離ですが、2倍以上の時間がかかっています。
橋のたもとから宿まで3キロ程の距離。行きは歩きましたが、少し疲れていたので、バイクタクシーと交渉して、500チャットで宿に戻りました。
モーラミャインからノアラボー・パヤーまで自力で行く方法のまとめ
自分は、半ば行き当たりばったりの形でノアラボー・パヤーまで行きましたが、ここでちょっとまとめてみます。
上記のように、自分は往路はローカルバスで、帰路はソンテウとバイクタクシーを使いました。
料金は、ローカルバスが片道1000チャット。ソンテウも片道1000チャット。
同じ料金でしたが、所要時間はローカルバスが約30分だったことに対して、ソンテウは1時間余り。
というわけで、冒頭の地図に記した地点でローカルバスを待つのが良さげです。
いっそ「タンルゥイン橋」が始まる所まで歩いて、そこで、ローカルバスかソンテウのどちらかを待つのがいいかもしれませんが、その地点でローカルバスに乗車できるかは未確認です。
金銭的に余裕がある方は、モーラミャインの町からバイクタクシー、またはタクシーで行くことができます。
料金は、恐らく片道5000~6000チャットぐらい、ではないでしょうか。いや1万チャットぐらいかな?
では、何時ごろ訪れるのがベスト?
後日、旅行代理店関連のサイトを見たところ、
雨季はトラックが不定期。その他の時期も午前中は営業、午後は麓からのトラックの運行が運休の場合がある
とありました。
自分の場合、モーラミャインでローカルバス乗り場をうろうろ探して1時間ほど時間を潰してしまったたため、ノアラボー山の麓にあるトラック乗り場に11時過ぎに到着。
参拝客用のトラックに乗るため、1時間以上待ってから、12時過ぎにようやく参拝客用トラックに乗ることができました。
1時間以上もトラックを待ったのは、恐らく時間が遅かったからですね。現地に午前9時頃、遅くても10時頃に付けば、トラックを待つ時間もそれほど長くはなかったでしょう。
以上、モウラミャイン近郊にある、もう一つのゴールデンロック「ノアラボー・パヤー」訪問記でした。
是非、天気の良い日を見計らって、訪れてみてください!