チェンマイ旧市街の中心部に位置するワット・チェディ・ルアン(Wat Chedi Luang)は、チェンマイで最も大きな仏塔(チェディ)を持つ寺院です。
メンラーイ王朝の第7代セーンムアンマー王(1383~1402年)が、亡き父を偲んで1391年に建立したと伝えられています。
タイ語で「ルアン」とは「大きい」、「チェディ」は「仏塔」という意味です。文字通り、チェンマイで最も大きな仏塔がある寺院として知られています。
ワット・チェディ・ルアンの建立時、仏塔の高さは約80メートル、四角い基壇部分の一辺の長さだけでも約60メートル。チェンマイで最も大きな仏塔が、ちょうどチェンマイの中心部に鎮座していました。
これは、チェンマイの都の中心に須弥山(しゅみせん)を模した大きな仏塔を置き、その周囲8方向にそれぞれ寺院を建立することで王朝が繁栄する、という当時の世界観から来ているそうです。
1545年の大地震により、仏塔の上部約30メートルは崩れてしまいましたが、1990年大に現在の形に修復されています。
入り口付近に建つ本殿には、ランナー様式の仏像が華麗に祀られており、見応え十分です。
その規模、そして格式の高さから、ワット・プラシンと並んでチェンマイで一、ニを争う人気の寺院です。ターペー門から歩いて10分弱、というアクセスの良さも見逃せません。
103 Road King Prajadhipok Phra Singh, Muang District, Chiang Mai Tambon Si Phum, Amphoe Mueang Chiang Mai, Chang Wat Chiang Mai 50200 タイ
豪華絢爛なワット・チェディ・ルアン
ワット・チェディ・ルアンは、常時、観光客で賑わう寺院です。プラポッカロア通りから境内に入ると、正面にヴィワーン(本殿)があります。すぐ左手にも寺院があります。
まず左手の寺院に入ってみました。
すると、黄金色に輝く仏像と華麗な装飾の数々。本当に“豪華絢爛”という言葉が相応しい光景に、ただただ感嘆するのみ。
西の都、パリにベルサイユ宮殿があるなら、東洋にワット・チェディ・ルアン有り、と言いたくなるほどの壮麗さです。
今度は、入り口正面に位置する本殿の中に入ってみます。
高い天井と、天井を支える大きな柱のスケール感に目を奪われます。その奥にはランナー様式の仏像が数多く鎮座しています。
現在、バンコクのエメラルド寺院に安置されているエメラルド仏も、かつてはここに安置されていたそうです。
日本の仏閣のように、侘び、寂びを感じさせるのも仏教寺院なら、このように圧倒的な豪華絢爛さで訴えかけるのも仏教寺院なのか、と仏教の“多様な形”に思いが至ります。
チェンマイの中心部に聳え立つ巨大な仏塔
寺院の華麗さを堪能した後、境内の奥に足を運ぶと、赤茶色のレンガを積み重ねた巨大な仏塔が姿を表します。
1391年の建立当時は、高さ約80メートルでしたが、1454年にティロカラート王によって86メートルの高さに改修されています。
ところが、1545年の大地震により、仏塔の上部30メートル程が崩壊。その後、ユネスコと日本政府の援助を受けてタイ文化庁が1992年に修復作業をスタートさせ、現在の形へと至っています。
修復されても半壊状態のままという点が、逆に歴史性を感じさせます。
階段の両脇に控える多頭のナーガ(蛇神)も巨大です。
仏塔の内部には巨大な金色の仏像が安置されています。
須弥山を模した巨大な仏塔を支える象たち。当時の世界観が伺えます。
広い境内には、数多くの寺院や仏像が点在しています。
ワット・チェディ・ルアン境内にある寺院。精巧な装飾が見事です。
境内のあるお堂にはリクライニング仏陀の姿も。
旧市街内にある数多くある仏教寺院の中でも、ワット・チェディ・ルアンは、その壮麗な美しさにおいてもチェンマイの“センター”にある寺院です。
ワット・チェディルアンの概要
- 名称
- ワット・チェディルアン / Wat Chedi Luang
- 入場
- 無料
- 所在地
- 103 Pra Pokklao Rd, Tambon Prasing, Amphur Muang Chiang Mai 50200
- 電話 / Tel
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