読谷村の北端にある残波岬は沖縄屈指の景勝地として知られています。以前、沖縄本島をバイクで一周している旅行者と知り合った時にも、「一番印象に残ったのは、残波岬!」との返事。
以来、一度は訪れてみたいと思っていたました。とはいえ、運転免許がないため、足がありません。
残波岬を訪れる方の大多数は、車・レンタカーで行くでしょうが、バスではいけないの? と思って調べてみると、意外に簡単に行けることが分かりました。
2021年初頭、嘉手納町に滞在した折、ローカル路線バスに乗り、徒歩で残波岬を訪れてみました。途中、寄り道して思わぬスポットを見つけたりと、徒歩ならでわの楽しさを満喫しました。
以下、残波岬へのアクセス方法を交えつつ、残波岬を訪れた時の様子をレポートします。
残波岬への交通アクセス・ルートまとめ
車・レンタカーで残波岬までアクセス
那覇空港から残波岬までは約50キロの距離。高速道路を使えば、那覇空港から約1時間で到着します。
沖縄自動車道 那覇ICから乗り、沖縄南ICで降りて国道58号線に入り、伊良皆交差点より約15分。
一般道で行く場合は、那覇空港からは、国道332号線→国道58号線に入り北上。読谷村喜名交差点を左折して県道12号線を直進。
高志保交差点を右折して県道6号線を進み、残波入口交差点を左折して道なりに進むと残波岬があります。
那覇空港から車で残波岬まで行く場合、所要時間は1時間~1時間30分が目安です。
路線バス28系「読谷(楚辺)線」、29系の「読谷(喜名)線」を利用して残波岬へアクセス
残波岬から約3キロほど離れた場所に「読谷バスターミナル」があります。
そこで、路線バスに乗って「読谷バスターミナル」まで行き、そこから徒歩で残波岬まで行くことができます。
※以前は、那覇⇔残波岬を運行する路線バスがあったそうですが、現在はありません。
路線バスの28系「読谷(楚辺)線」と29系の「読谷(喜名)線」が、那覇の県庁北から終点の読谷バスターミナルまで運行しています。
那覇からの所要時間は約75分~90分。
読谷バスターミナルから残波岬までは、のんびり歩いて徒歩40分。急ぎ足なら30分が目安です。
その他、路線バスの228系「読谷おもろまち線」が、おもろまち駅から読谷バスターミナルまで運行しています。
ただし、228系の「読谷おもろまち線」は本数が非常に少ないため、28系「読谷(楚辺)線」&29系「読谷(喜名)線」がオススメです。
ことに、28系の路線バスは、日中、ほとんど15分間隔で運行しているので利用しやすいです。
空港リムジンバスで残波岬へアクセス
路線バスではなく、空港リムジンバスを使って残波岬近くまで行くこともできます。
残波岬の近くに「オキナワ残波岬ロイヤルホテル」というリゾートホテルがあります。「オキナワ残波岬ロイヤルホテル」から残波岬までは約1.3キロの距離です。徒歩約15分ほどで残波岬に行くことができます。
那覇空港から沖縄本島の各地へ行く空港リムジンバスは、様々なルートで運行していますが、「オキナワ残波岬ロイヤルホテル」まで行く空港リムジンバスには、2つの路線があります。
一つは、空港リムジンバスBエリアの下り便です。沖縄自動車道を軽由して、約90分の所要時間でオキナワ残波岬ロイヤルホテルに着きます。料金は、那覇空港から片道1,530円(3歳~小学生:770円。
もう一つは、空港リムジンバスABエリアの下り便。こちらは、国道58号線を経由するため、多少、迂回するような形となり、所要時間は約120分です。料金は片道1,480円(3歳~小学生:740円)。
BエリアとABCエリアを運行するリムジンバスは、両方合わせて1日4、5便ほど運行しています。
- 空港リムジンバス Bエリア
- 主な経由地:那覇空港→那覇バスターミナル→ホテルムーンビーチ→HIYORIオーシャンリゾート沖縄(R3.4.1~)→ルネッサンスリゾートオキナワ→ベストウエスタン恩納(R3.4.1~)→ロイヤルホテル沖縄残波岬→ホテル日航アリビラ→星のや沖縄→読谷バスターミナル
- 空港リムジンバス ABエリア
- 主な経由地:那覇空港→那覇バスターミナル→沖縄プリンスホテル オーシャンビューぎのわん→ムーンオーシャン宜野湾ホテル&レジデンス・ラグナガーデンホテル→ザ・ビーチタワー沖縄→ベッセルホテルカンパーナ沖縄→ラ・ジエントホテル沖縄北谷→ヒルトン沖縄北谷リゾート→ダブルツリーbyヒルトン沖縄北谷リゾート→ホテル日航アリビラ→星のや沖縄→ロイヤルホテル沖縄残波岬→読谷バスターミナル
空港リムジンバスの時刻表と運賃は、以下の沖縄バス株式会社のサイトに掲載されています。
嘉手納町から路線バスと徒歩で残波岬まで行ってみた
路線バスと徒歩で行く残波岬。実際、どんな感じだったかをレポートします。自分は、嘉手納町に滞在していたので、毎日のように隣の読谷村まで出かけていました。
残波岬を訪れた時も所要があり、読谷村にある米軍基地のトリイ・ステーションにいました。所要を片付けた後、トリイ・ステーションの鳥居のすぐ近くにあるバス停「赤犬小宮前」から28系の路線バスに乗車。
約15分程で読谷バスターミナルに到着しました。読谷バスターミナルは28系・29系の路線バスの終点になるので、乗り過ごす心配はありません。
バス運賃は290円なり。
なお、那覇バスターミナルから路線バスで行く場合、所要時間は約1時間30分が目安です。
読谷バスターミナル(琉球バス読谷営業所)
読谷バスターミナルの正式名称は「琉球バス読谷営業所」。読谷バスターミナルは、いかにも昭和の面影を残したローカル感溢れるバスターミナルです。
読谷バスターミナルは高台に位置しているため、バスターミナルの敷地内の奥からの眺めも実にイイ感じです。
バスの運転手さんに話を聞くと、読谷バスターミナルから残波岬までは、タクシーなら5分程度。徒歩だと約30分とのこと。「今日は、天気が良いから、歩くのにちょうどいい距離だよー」との声を背に、残波岬まで歩いてみました。
瀬名波入口の交差点を通り過ぎたあたりから、風景が心地よいです。
瀬名波の交差点を右に折れると、瀬名波海岸、長浜海岸に出ます。
辺りは、ちょうおサトウキビを刈った後の様子。後で知りましたが、読谷バスターミナル付近から残波ビーチへと至る道は、「シュガーロード」と呼ばれているそうな。
ナルホド、道の両側にサトウキビ畑が広がっています。沖縄の昔ながらの風景が広がっています。
読谷バスターミナルから、のんびり歩くこと約30分。残波ゴルフクラブ、次いで御菓子御殿 読谷本店を通り過ぎました。
「ここが御菓子御殿の本店なんだぁ」と思いつつ、御菓子御殿 読谷本店を通り過ぎるとりっぱな大型リゾートホテル、ロイヤルホテル沖縄残波岬があります。
自分には全く縁が無さそうなリゾートホテルを通り過ぎると、残波ビーチが見えてきました。ビーチに降りてみると、白砂の美しいビーチが広がっています。
大きな天然のリーフに囲まれており、海の透明度も高く、夕日が綺麗な観光スポットとして知られています。それだけに施設が整っているビーチです。
残波ビーチを横目に更に道を歩くと、残波岬の駐車場があります。
その先に巨大なシーサーがあります。残波大獅子です。
残波大獅子は、琉球王朝時代に中国との貿易で栄えた読谷村の国交文化を伝えるため設置されたそうです。
シーサーは通常、魔物が来る方向に向けて置かれるそうですが、こちらの残波大獅子は中国大陸の方向を見るように設置されています。
それにしても大きいですね。後で知りましたが、残波大獅子は高さ8メートル75センチ、全長7.8メートル。沖縄というか世界で最も大きなシーサーです。
地図で確認すると、この辺りが「残波岬公園」の一画にある読谷村の公共施設「残波岬いこいの広場」。
「残波岬いこいの広場」には、マンタハウス(レストラン)、バーベキューハウス、全天候テニスコート、多目的広場、ラグビーフットボールなどがあります。
広場の一画、駐車場の隣あたりには、ヤギやニワトリがいる「ふれあい動物広場」もあるので、子様連れの方は立ち寄ってみると面白いかも。
「残波岬いこいの広場」を含む近辺は、「残波リゾート アクティビティパーク」とも呼ばれているようです。
- 住所 〒904-0328 読谷村宇座1861番地
- 電話 098-958-0038
- 駐車場:270台、料金無料
- 公式サイト 残波リゾート アクティビティパーク
- Facebook 残波岬バーベキュー・レストラン&シアター
- Instagram 残波岬いこいの広場Ti-da33
残波岬&残波岬灯台は「残波岬公園」の敷地内にあります。読谷バスターミナルからのんびり歩いて、途中、景色を楽しんだり、写真を撮ったりしながら、ちょうど40分で残波岬に到着しました。
日本、〒904-0328 沖縄県中頭郡読谷村宇座657−1
日本、〒904-0324 沖縄県中頭郡読谷村長浜1061
日本、〒904-0328 沖縄県中頭郡読谷村宇座1861
〒904-0328 沖縄県中頭郡読谷村宇座1575
〒904-0325 沖縄県中頭郡読谷村瀬名波
残波岬公園を歩いて回ってみた
残波岬は、高さ約30メートルの断崖が2キロにも渡って続いている沖縄本島屈指の観光スポットです。沖縄本島の最西端に位置しています。
まず、灯台とは反対方向にある、残波岬公園を東の方を散策してみました。
辺りは珊瑚礁が隆起して出来た琉球石灰岩に覆われていますが、整備された遊歩道が伸びています。西ノ神之屋、こてい節(くてぃぶし)歌碑、旅人(たびんちゅ)像、泰期像モニュメント等が点在しています。
赤瓦を頂いた西ノ神之屋は、航海安全、武運長久を祈願した拝所です。
泰期像モニュメントの泰期は、読谷村の豪族。琉球王朝時代の1372年に中国(当時の明)へ進貢貿易船を出して交易を深めた先駆者。
中国へは合計5回も渡航して大きな富を築いたことから、沖縄では「商売の神様」と言われています。モニュメント像は、何やら方角を指していますが、これは中国福建省の方向を指しています。
東の方向に歩くと、何やら展望台らしきものがあります。そちらに向かって歩くと、柵も何もなく、そのまま崖から落ちてしまう作りに、ちょっとビックリ。
展望台近くまで来たら、ちゃんと柵がありました(苦笑)。つまり、いつの間にか柵を超えて崖付近を歩いていたことになります。その分、眺めは良かったですが、ちょっと危ないですね。
展望台には、特に何もありませんが、そこからの眺望は見事です!
崖から見るディープブルーの海は、ちょっと北海道の神威岬を思わせるものがあります。荒々しい波が岬に砕けて白いしぶきを上げる様は、眺めていて飽きません。
視線を断崖絶壁が続く北方向に向けると、遠くに名護市がある本部半島、八重岳を望むことができます。
展望台からの眺めを楽しんだ後、いったん灯台方向に戻ってみることにしました。すると、展望台のすぐ近くに何やらあります。モニュメントかな? と思ってみると「潮吹穴(スーフチガマ)」とあります。
満潮時には、潮がここから吹き上げてくるのかな? と思いましたが、荒天時になると波が吹き上げる穴で、現在は安全対策で穴が塞がれていると知りました。
こちらは、こてい節(くてぃぶし)歌碑です。
他にも何やらモニュメントがあります。近づいていると、「旅人・たびんちゅ」のモニュメントでした。
こんな大きな岩もあります。こちらは1990年に沖縄を襲った台風(ウーカジ)が、この大きな岩を動かしたそうです。マジか?
紺碧の空と海を背景にそびえ立つ白亜の灯台
そして、本命の残波岬灯台へGO! 紺碧の空と海を背景に白亜の灯台がそびえ立つ沖縄屈指の景勝地です。
残波岬灯台へと至る小道には、残波岬の自然や生態系に関する説明の看板があります。
そして、イザ、灯台へ……が、しかし……改装工事中でした!
残波岬突端に建つ残波岬灯台は、高さ31メートルと南西諸島随一の高さを誇り、灯火部分に登ると東シナ海を一望することができることで知られています。
残波岬灯台は、上までのぼることができる灯台ですが、日本全国にある灯台のうち、登ることができる灯台は16箇所しかないそうです。
晴天時は慶良間諸島、粟国島、渡名喜島、久米島等を眺むこととができると聞いていただけに、本当に残念です!
灯台付近を見ると、釣り人たちが灯台の奥の方に陣取っています。断崖絶壁にへばりつくようにしてにも釣りをしている姿に驚きました。どうやら磯釣りの格好のスポットになっているようです。
それにしても、ゴツゴツとした岩礁に波がぶつかり、荒々しく波しぶきが上がる様は男性的。本当に見ていて飽きませんね。
残波岬はサンゴ礁が高さ30メートル~40メートル隆起している岬です。隆起付近の海岸線は、人工化されていないサンゴ礁。沖縄方言で「イノー」とよばれる礁湖が大きく広がっています。
沖縄本島で夕日が最後に沈む場所として知られる絶景スポットのため、ここで夕日を見ようかとも思いましたが、まだまだ時間があるため、引き上げることにしました。
- 住所 読谷村字宇座1233番地
- 電話 098-958-3041(残波岬支所)
- 参観時間
【3~9月】平日09:30~16:30 、土日・祝日09:30~17:30
【10~2月】09:30~16:30
※入場は参観終了時刻の20分前まで。 - 入場料 大人300円(中学生以上)
残波大獅子近くにある秘密の景勝スポット
残波大獅子の前まで歩いて戻ると、海岸に降りる小道があることに気が付きました。
好奇心にかられて小道を海の方に下ると、石灰岩が自然のテラスのように海に伸びています。
おおっ! これは良い所を見つけた!
海岸線に出ると、同じように自然のテラスのようになった箇所が幾つか連なるようにしてあります。
キャンプ用の椅子を持ち込んで、景色を楽しんでいる方の姿も。どうやら、ちょっとした“秘密の観賞スポット”となっているようです。
御菓子御殿 読谷本店で芋についてお勉強
帰路では、「御菓子御殿 読谷本店」に立ち寄ってみました。エントランスは大きな花笠。
工場見学も出来ると看板が出ていたので見学することにしました。売り場のすぐ横で、紅いもタルトやちんすこうなどを製造して様子をガラス越しに見ることが出来ました。
御菓子御殿と言えば、「紅いもタルト」が有名ですが、その「紅いもの秘密」や「サツマイモの原産地と伝播」の解説が面白かったです。
紅いもは、フィリピンでは「ウベ」と呼ばれており、アイスクリームなどでお馴染みです。沖縄にも古くからあったのかと思っていましたが、意外なことに紅いもが沖縄にやってきたのは1947年とあります。比較的、最近のことなんですね。
また、サツマイモは1594年にフィリピンから中国福建省にわたり、その11年後の1605年に野國總管(のぐにそうかん)が鉢植えを当時の琉球王朝に伝えたとあります。
- 住所 〒904-0328 沖縄県中頭郡読谷村字宇座 657-1
- 電話 098-958-7333
フリーダイヤル 0120-040-892 - 営業時間 09:00~20:00 ※短縮営業中 9:00〜19:00
- 定休日 年中無休
- 公式サイト 読谷本店
泡盛の有名ブランド「残波」で知られる比嘉酒造
お昼過ぎ、読谷バスターミナルへ戻りました。14時15分発の路線バスを逃したので、路線バス28番の次のバスは、14時45分発。多少、時間があるので、近くのローソンへ赴くと、バス停の向かいに「残波」と書いてある大きなタンクがあります。
あれ? これって? 泡盛の有名ブランド「残波」を作っている比嘉酒造と知ってビックリ。沖縄を訪れるたびに様々な泡盛を飲みましたが、その頃は、ちょうど通称“残黒”と呼ばれる「残波」をよく飲んでいたところでした。
敷地内を見ると、残波のファクトリーショップがあります。
ショップに入り、話を聞くと、比嘉酒造の敷地は、間口は狭いものの奥の方に敷地が伸びていて、工場があるんですよ、とのこと。泡盛「残波」は、全てここで製造しているそうです。
これは、後で知りましたが、比嘉酒造では、リクルートの旅行サイト「じゃらん」から予約をすると、工場(蔵)を見学できるようです。
ショップには、様々な「残波」がズラリと並んでいます。
中でも一番高い「残波」は、3万3000円。国宝クラスの琉球グラスの職人が作ったガラスの壺に入っています。
「残波黒」もかなり人気とのこと。一口にい「残波黒」といっても幾つか種類があり、アルコール度数45度の「残波黒」が気になりました。
試飲させてもらうと、通常の残波より濃厚な味がします。沖縄を後にする時、購入することにしました!
- 住所 〒904-0324 沖縄県中頭郡読谷村字長浜1061番地
- 電話 098-958-2205
- 営業時間 09:00~20:00 ※短縮営業中 9:00〜19:00
- 定休日 年中無休
- 公式サイト 工場見学 – 比嘉酒造