モーラミャンに約1週間滞在した後、近郊のパアンを訪れました。パアンを訪れた理由は、モーラミャインで知り合ったマンダレー在住のフランス人女性から強く勧められたためです。
「あなたなら、絶対、気に入るはずよ。特に寺院を巡るツアーはとてもオススメ!」と強く強く勧められました。
そこで、パアンに関するいろいろ情報を集めてみると、パアンには鍾乳洞を生かした洞窟寺院が相当数あり、その寺院を巡ることが人気を呼んでいるそうな。
パアン近郊の寺院を回るには、寺院巡りのツアーに参加するか、あるいはトゥクトゥクをチャーターして回るか、自らモーターバイクなどをレンタルして回ってみる、という3つの選択肢があることが分かりました。
自分は、どちらかと言えばツアーにはあまり参加せず、自分一人であちらこちら行ってみるスタイルが好みです。今回は、ミャンマー在住者の勧めに従って、ツアーに参加してみるとことにしました。
ソーブラザース・ゲストハウスの寺院を巡るツアーの内容
自分が宿泊した宿のレセプション等で尋ねると、パアンの寺院を巡るツアーは、パアンの老舗ゲストハウス「ソーブラザーズ・ゲストハウス」が一手に引き受けているとのこと。
そこで、「ソーブラザーズ・ゲストハウス」を訪ねてみると、レセプションがある2階にツアー情報の張り紙がありました。
張り紙を見ると、ツアーは合計7箇所を巡るツアー。料金は30000チャットをツアー参加者の数で割った額。一人で貸し切り状態で行くなら、30000チャット。二人なら、一人15000チャット。5人なら一人6000チャット。6人以上の場合は、一律5000チャットで、定員は8人までというシステム。
その横には、「ズウェカビン山(Mount Zwekapin)」の張り紙もあります。ズウェカビン山の麓まで10000チャット、4人以上の場合は一人2500チャットとあります。出発時間は、早朝6時、7時、8時の3便。こちらは、「ズウェカビン山ツアー」というよりも、ズウェカビン山の麓まで車で運んでくれるという内容です。
洞窟寺院などを訪れるツアー「Amazing & Wonderful Tour」に参加したい旨を告げると、ノートに名前だけ記入され、「明日の朝、8時30分までに宿の前に来てくれ」とのこと。これでブッキング完了です。
翌日、実際にツアーに参加して、パアン近郊の洞窟寺院などを、たっぷり約9時間かけて見て回りましたが、これが参加してみて大正解! 自分が海外で参加したツアーの中でもベスト3に入るのでは?と思うほど充実の内容でした。
「ソーブラザース・ゲストハウス」の寺院ツアーの行程
実際に寺院ツアーで巡った場所をまとめてみると、以下の通りです。
- 8時50分 ソー・ブラザーズ・ゲストハウスを出発
- 9時34分~10時20分 ヤテッピャン洞窟(Ya Thay Pyan Cave)
- 10時25分~10時45分 コーグン洞窟寺院(Kawgoon Cave) 拝観料:3000チャット
- 11時37分~12時22分 Taw Pon チャウッカラッ・パゴダ(Kyauk Ka Latt Pagoda) 拝観料:1000チャット
- ルンビニ・ガーデン(Lumbini Garden)→省略
- 12時42分~14時17分 ドンイン湧水公園(ウォーターフォール・ヴィレッジ / Waterfall Village) 昼食タイム
- 14時51分~16時15分 サダン洞窟(Sadan Cave) 拝観料:3000チャット。ボート代:1300チャット
- 16時57分~17時10分 コーカタウン洞窟(Kaw Ka Thaung Cave)
- 17時40分 「ソーブラザーズ・ゲストハウス」に戻り、解散
「ソーブラザース・ゲストハウス」の寺院ツアーの行程地図
グーグル・マップのタイムラインを見ると、こんな感じになります。
ソーブラザース・ゲストハウスのツアーに参加して大正解!
ソーブラザーズ・ゲストハウスのツアーでは、寺院などを6箇所ないし7箇所見て回りますが、これらを一人でバイクで回るとなると、かなり大変です。
ツアーで巡る洞窟寺院は、上記の地図にあるようにパアンの近郊広範囲に点在しています。1箇所や2箇所なら地図を確認しながら訪れることもできるでしょうが、初めて訪れる所が6、7箇所となると相当シンドいです。
その点、ソーブラザース・ゲストハウスが主催するツアーなら、パアン近郊の見どころを8時間~9時間かけて一挙に巡ることができます。このツアーは人気があるため、参加者は多く、ツアー料金も割り勘となるためコスパも最高です。パアンで1日、モーターバイクをレンタルするとなると、8000チャット以上、かかります。
サダーン洞窟寺院では、バイクをレンタルして一人でやって来た日本人旅行者に会いましたが、その方はパアンに滞在するのは実は2回目。初めてパアンに来た時は、このツアーに参加して、今回は気に入った場所を一人でバイクで巡っている方でした。
パアンには合計4日滞在しましたが、パアン近郊の大きな見どころは、このツアーが大方カバーしている印象です。このツアーで行かないスポットは、聖山「ズウェカビン山(Mount Zwekapin)」ぐらいです。
そこで、パアンに1日、2日の短期滞在なら、寺院巡りのツアーは絶対にオススメです。
さらに余裕があるならば、「ソーブラザーズ・ゲストハウス」の車で「ズウェカビン山(Mount Zwekapin)」の麓まで行くか、あるいは自分でバイクをレンタルして、「ズウェカビン山(Mount Zwekapin)」の麓まで行き、登ってみることをオススメします。
後日、「ズウェカビン山(Mount Zwekapin)」にはバイクをレンタルして訪れてみましたが、ズウェカビン山を登るとなると、半日は潰れます。
パアンの「ソーブラザース・ゲストハウス」寺院ツアーはオススメ!
以下、実際に「ソーブラザーズ・ゲストハウス」のパアン近郊を巡るツアーに参加した時の様子をレポートします。
ブッキングした翌朝、8時過ぎに「ソーブラザーズ・ゲストハウス」に行くと、ゲストハウスの前にタイで言うところのソンテウのような乗り物が停車しています。
これに乗って、寺院を巡ります。乗客は向かい合わせとなって座るスタイルです。
前日にブッキングした時点では、自分以外のツアー参加者はいませんでしたが、次々にツアー参加者が集まってきました。
結局、イギリス人男性とイタリア人女性のカップル、スイス人男性、チェコ人男性、韓国人カップル、そして自分を含めての総勢7人。
8時50分頃、「ソーブラザーズ・ゲストハウス」を出発すると、近くの別の宿でツアー参加者をピックアップ。総勢8名の定員ぎりぎりのツアーとなりました。ツアー参加料は一人5000チャットです。
ヤテッピャン洞窟(Ya Thay Pyan Cave)
まず訪れたのが、パアン中心部から比較的近い距離にある「ヤテッピャン洞窟(Ya Thay Pyan Cave)」です。
入り口から階段を登ると、托鉢する僧侶の像の列がお出迎えです。
階段を登ると、数々の仏像が安置されています。こうした本格的な洞窟寺院を見るのは初めてだったので、新鮮でした。
見晴らしもいいですね。
さらに上に階段が続き、仏像と小さなパゴダがあります。
可愛らしい仏像の姿も。
階段を登ると、まだまだ洞窟が奥へと続きます。
、鍾乳洞となっています。
ようやく洞窟を抜けると、見晴らしの良い地点に出ました。どこまでも平和な景色ですね。
ヤテッピャン洞窟寺院の謂れというか歴史を英語で説明したものもありました。
コーグン洞窟寺院(Kawgoon Cave)
次に訪れたのは、「ヤテッピャン洞窟」の近くにある「コーグン洞窟寺院(Kawgoon Cave)」。寺院に至る参道で大きな二頭の獅子像がお出迎えです。
寺院の入り口では、拝観料を別途、支払います。3000チャットなり。
入口から洞窟内に入ると、仏像が安置されていますが、驚いたのは仏像の上部の壁や天井に小さな仏像でギッシリと並んでいること。
「こ、これは凄い!」。度肝を抜かれました。
さらに先に進むと、大きく洞窟が広がったスペースにリラクニング・ブッダが安置してあります。
その上部にも無数の小さな仏像が。
この時は、壁や天井によくこれだけの仏像を彫ったものだと思いましたが、これらは彫られたものではなく、奉納者が壁に貼りつけたもの、と知りました。
それでも、まるで洞窟がまるで別世界を形成しているかのよう。「パアンといえば洞窟寺院」という思いを深くしました。
チャウッカラッ・パゴダ(Kyauk Ka Latt Pagoda)
「チャウッカラッ・パゴダ(Kyauk Ka Latt Pagoda)」は、今回のツアーの中でも最大の見どころの1つとなりました。
車を降りると参道が伸びています。お土産さんが並び、椰子の実を削ったお土産や、タナカの原木やなどを売っています。
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参道の先には大きな池があり、池の手前右には、白亜の大きな寺院があります。、「チャンタジー寺院(Chan Thar Gui Temple)」です。
そして、池の中央には、奇岩がそびえ立ち、頂上にはパゴダがあります。
< 「洞窟寺院」の次は「水上寺院」です!ツアー参加者の誰もが、その美しさに、「おおっ!」と感動。早速、みんなで橋を渡り、池の中央部にそびえ立つパゴダに登ってみました。
池の中央部へ着くと、階段が上に伸びています。そこで、拝観料の1000チャットを支払うと、僧侶が手首にオレンジ色の紐を巻いて結んでくれました。ミサンガのような感じです。
階段を登ると祠があります。祠では写真はNGとのこと。祠の手前で外の眺めると、遠くに聖山「ズウェカビン山」を望みます。
岩から降りると、みんなは自然、「どの角度から見るとベストかしら?」とばかりも、大きな池の周りを回って様々な角度から「チャウッカラッ・パゴダ」の写真を撮っています。
ズウェカビン山(を背景に、池に浮かぶようにして見える「チャウッカラッ・パゴダ」が美しいですね。
大きな池の辺りにある白亜の「チャンタジー寺院(Chan Thar Gui Temple)」の中にも入ってみました。
灼熱の屋外を逃れるようにして中に入ると、大きなブッダ像が鎮座しています。
同行したイタリア人女性は、静謐な時間に身を任すように、いつまでも一人ブッダ像の前に佇んでいたことが印象的でした。
「チャウッカラッ・パゴダ」は、数あるパアン近郊の寺院の中でも、とりわけ印象深い寺院となりました。
ルンビニ・ガーデン(Lumbini Garden)
「チャウッカラッ・パゴダ(Kyauk Ka Latt Pagoda)」を訪れた後、車に乗り込むとドライバーが「ルンビニ・ガーデン(Lumbini Garden)はオプション料金となるが、行きたいか?」と尋ねてきます。
あれ? オプションなの? 少額の別料金がかかるようです。
すると、下調べをみっちりとしてきた韓国人カップルが、「ネットで調べてみると、お坊さんの像が並んでいるだけみたいだから、ここは省こうよ」と提案。
特に異論は出なかったので、行きませんでした。
翌日、バイクをレンタルして「ルンビニ・ガーデン(Lumbini Garden)」と「ズウェカビン山(Mount Zwekapin)」を訪れてみましたが、ルンビニ・ガーデンはズウェカビン山の麓にあります。
つまり、ズウェカビン山を訪れる場合、必然的にルンビニ・ガーデンを通ることになります。ルンビニ・ガーデンは、平原に合計1,121体もの仏像が整然と配置されているところでした。
ドンイン湧水公園(ウォーターフォール・ヴィレッジ / Waterfall Village)
次に訪れたのが「ウォーターフォール・ヴィレッジ / Waterfall Village)」。グーグル・マップには「ドンイン湧水公園」とあります。
時刻は12時40分過ぎ、昼食タイムです。天然のプールに面した地元の食堂で、それぞれ食べたいものを注文。
しかし、暑いですね。「ドンイン湧水公園」は泉となっており、地元民の天然プールといった感じで、自分も足元を冷やして休憩を取りました。
翌日、バイクで別の泉に行ってみましたが、こうした天然のプールとなっている泉が点在しており、地元民の憩いの場所となっていました。
サダーン洞窟寺院(Sadaan Cave)
サダーン洞窟寺院(Sadaan Cave)は、今回のツアーで訪れた中でも、とりわけ印象に残っている寺院の一つです。
二匹の白象がお出迎えする階段を登り、入り口で拝観料として別途、3000チャット支払いました。
そこで、洞窟寺院に入る際、脱いだ靴やサンダルをそのまま手に持って中に入ることがオススメです。そうすれば、ボートに乗って入口付近まで戻ってきた時、素足で道を歩くことがありまあせん。
ところで、サダーン洞窟寺院の入り口では、僧侶からミャンマー語で何やら書かれた紙切れと一緒にふわふわした黒い物を渡されました。
「こ、これは一体、何?」状態でしたが、下調べ万全の同行者によると、「これは、洞窟内でとれる薬。お湯に溶いで飲むそうよ」とのこと。うぅむ。さすがにちょっと飲むのは躊躇しました。
洞窟内に入ると、大きな鍾乳洞と仏像が並んでいます。
奥に進むと、さらに天井は高くなり鍾乳洞が広がっています。持参したスマホのカメラ機能があまりにショボいため、写真はあまり撮りませんでしたが、見事でした。
洞窟の奥に進むと、リクライニング・ブッダに金ピカの照明はちょっと……「電飾ブッダ」は日本人の感覚にはちょっと違和感ありますね(苦笑)。
洞窟内で黄金色に燦然と輝くブッダ像。
洞窟内は、かなり広いです。
さらに奥へと進むと、照明がポツリポツリとなり、かなりの暗闇の中を進む形になります。
この辺りにくると、かなり臭いいます。天井を見るとコウモリが。洞窟がコウモリの住処となっており、コウモリの糞の匂いでした。
暗闇の洞窟内に掛けた橋や階段を渡ると、ようやく洞窟出口が見えました。
出口付近には大きな鍾乳洞があります。
サダーン洞窟寺院は、とにかくスケールが大きい印象です。後で調べてみると、洞窟は全長700メートルを超えるそうな。
洞窟を抜けると、ボートの船着き場に至ります。ここの風景が実にイイ感じです。
このボートに乗って、洞窟の下をグルっと回って、サダーン洞窟寺院の入り口へと戻ることができます。
船着き場のさらに左奥には、何やら木製の橋のようなものが続いてます。何故に橋を? と思いましたが、恐らく雨季には川状態となるからでしょうか。
橋を渡ってみると、大きな祠があります。
祠の左側奥にも洞窟があるので、中を入ってみると鍾乳洞となっていました。特に照明もなく真っ暗です。
船着き場まで戻り、せっかくだからボートに乗ってみることにしました。
チケット売り場のブースでチケットを購入。一人1300チャットなり。
小舟に乗り込むと、ナント、ボートは洞窟の下をくぐり抜けます! 下の写真の中央付近、水面すれすれの辺りです。
暗闇の洞窟を抜けると、突然、視界がパァッと開けて、青々とした田園風景が広がっています。
感動です!
ボートは、田んぼの用水路を進みます。それにしても、稲穂って、こんなにも緑に輝くんだ!
年を取ってきたせいか、自分のDNAには深く米が刻まれており、稲穂を見ると体がすぐに反応するような感じいです。
サダーン洞窟寺院は、洞窟内に広がる鍾乳洞と一体となったような寺院の佇まいも印象に残りましたが、ボートに乗って洞窟をくぐり抜けて田園を見た時の感動は、一生忘れないと思います。
コーカタウン洞窟(Kaw Ka Thaung Cave)
最後に訪れたのは、コーカタウン洞窟(Kaw Ka Thaung Cave)です。
門の前には、ズラリと托鉢僧侶の像が並んでいます。ミャンマーでよく見る光景です。
門をくぐると、先にコーカタウン洞窟の入り口が見えてきました。
こちらも洞窟と寺院と一体化したような洞窟寺院ですが、洞窟の入口部分の壁面を巧みに使って仏像が安置されています。
洞窟内では、様々なスタイルの仏像が安置されています。
色とりどりの電飾照明で、色彩豊かというか、きらびやか印象です。
洞窟寺院の前には、手入れが行き届いた庭と池があります。ちょっと不思議テイストな魚のオブジェ等もあり、コーカタウン洞窟寺院は、とりわけ「仏教テーマパーク」感が漂っている印象です。
この頃には、太陽もかなり傾いてきました。ソンテウは17時40分頃に「ソーブラザーズ・ゲストハウス」に戻りました。
洞窟寺院ツアーのまとめ
解散する前に、「みんなで集合写真を撮ろうよ。これは日本人旅行者の儀式みたいなもんだから」と提案して、記念写真をパチリ。
ここには載せませんが、写真を見返してみると、みんな充実感と満足感に溢れた笑顔。この頃には、ツアー参加者の間で“仲間意識”みたいなものも芽生えてきて、連絡先を交換しました。
夜、宿の近くのレストランに行くと、ツアー参加者のスイス人男性も来ており、一緒に食事を取ることにしました。アジア旅行のヴェテラン選手で、ネパールで4年間、ゲストハウスを経営していたこともあるそうな。その時のエピソードや旅行話で盛り上がりました。こうした出会いがあることも、ツアーの良さですね。